バングラデシュのニュース(2012/12/28) その1

■見出し(2012年12月28日) No2012-75
〇SABAが純植物由来の洗剤原料をバングラデシュに輸出
〇友情のレポーター:バングラデシュ取材、NPO法人が募集
〇バングラディシュで鳥インフルエンザが突如蔓延
〇バングラデシュ電源開発公社から同国最大級の複合火力発電所建設請負契約を受注
〇丸紅、バングラデシュ電源開発公社から複合火力発電所建設請負契約を受注
〇丸紅:バングラ火力発電設備受注、300億円-韓企業と共同で
〇丸紅、バングラデシュ電源開発公社から複合火力発電建設請負契約を受注
〇テスコ、タイ製品の輸出促進を目指す?欧州企業のアジアビジネス戦略
〇途上国レポート 伊藤聡子さん
〇バングラデシュ短信 : 2012年11月上旬
〇バングラデシュ短信 : 2012年11月下旬
〇バングラデシュ成長加速 ~ 資本流入で一段の成長加速へ ~
〇バングラデシュの内臓型リーシュマニア症研究拠点の設立を全面的に支援
〇バングラデシュ「BOP/ボリュームゾーンビジネス」ミッション
〇スマイル作戦バングラデシュ 活動報告
〇草の根・人間の安全保障無償資金協力 署名式
 -「ナチョール郡・タノール郡零細農家のための農業機材整備計画」
   及び「ウジルプール郡零細農家のための農業機材整備計画」-
〇バングラデシュにおける工場火災から学ぶこと――下田屋毅の欧州CSR最前線(20)
〇安い衣料品のためにバングラデシュの工場が払う犠牲

■SABAが純植物由来の洗剤原料をバングラデシュに輸出
 http://www.chukei-news.co.jp/news/201212/27/articles_19580.php
 (中部経済新聞 2012年12月27日)

輸入品加工販売のSABA(=サバ、本社中津川市茄子川1144の31、田苗東洋喜
社長、電話0573・68・2857)は13年1月から、松の油から作った純植物由
来の洗剤原料をバングラデシュに輸出する。同国で健康食品などの製造販売を展開する
モーデンハーバルグループが製品化して、肉、魚のホルマリン除去用に提案する。田苗
社長は「現地のホルマリンによる健康被害は深刻と聞く。輸出で生活のお役にたちたい」
と話している。

■友情のレポーター:バングラデシュ取材、NPO法人が募集
 11~16歳対象 /東京
 http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20121226ddlk13040274000c.html
 (毎日新聞 2012年12月26日)

NPO法人「国境なき子どもたち」(新宿区、KnK)は、13年の春休みにバングラ
デシュを訪れてストリートチルドレンらを取材し、帰国後に報告する「友情のレポータ
ー」を募集している。

派遣期間は、3月後半から4月前半の約10日間。首都ダッカでストリートチルドレン、
デルタ地域農村部で貧困家庭の取材などを行う。応募資格は11~16歳で、帰国後に最
低1年間、国内での報告会などに参加できる人。全国から2人、東北支援枠として東日
本大震災の被災地から1人の計3人を派遣する。

KnKは95年にこのプロジェクトを開始。派遣国の子どもらが抱える問題や生活状況
を見聞しながら、相互理解を深めている。

KnKのスタッフが同行し、渡航費なども主催者負担となる(パスポート取得費は個人
負担)。応募締め切りは13年1月15日。問い合わせは、KnK(03・6279・
1126)。【小泉大士】

■バングラディシュで鳥インフルエンザが突如蔓延
 http://japanese.ruvr.ru/2012_12_26/99363904/
 (VORロシアの声 2012年12月26日)

バングラディシュの農業省は鳥インフルエンザが見つかったとして、ダッカ近郊の大型
養鶏場の15万羽の鶏を処分する構え。26日、AFP通信が地元の役人の声明を引用
して伝えた。
同養鶏場では25日、突如として鳥インフルエンザの蔓延が認められたため、12万羽
が処分されたばかり。バングラディシュで07年に初めて鳥インフルエンザが発見され
ている。当時は地元政府の決定で100万羽を越える鶏が処分された。

最近でH1N1ウィルスの大型流行が認められたのは10年3月で、その際は少なくと
もバングラディシュ北部で11万7000羽の鶏と20万個の卵が処分されている。

08年5月から現在までの間にバングラディシュでは鳥インフルエンザの大型流行が6
度観測されており、人間への感染も認められた。これに対し地元政府は、患者らは全て
完治したと断言している。

■バングラデシュ電源開発公社から同国最大級の複合火力発電所建設請負契約を受注
 http://www.marubeni.co.jp/news/2012/121227.html
 (丸紅株式会社 2012年12月27日)

丸紅株式会社(以下「丸紅」)は、バングラデシュ電源開発公社(Bangladesh Power Deve
lopment Board、以下「BPDB」)より、総出力約400MW(40万キロワット)のビビヤナ複合火
力発電(*) 設備建設一式を、韓国の現代建設(Hyundai Engineering & Construction Co
, Ltd)と共同で受注、2012年12月26日にバングラデシュのダッカ市に於いて契約調印し
ました。

当社はバングラデシュにおいてハリプール100MWガスタービン火力発電所2・3号機リハビ
リ契約、カルナフリ水力発電所4・5号機リハビリ契約の受注実績がある他、2011年2月に
バングラデシュ発電会社(Electricity Generation Company of Bangladesh Ltd.)から受
注した総出力410MW(41万キロワット)のハリプール複合火力発電所建設案件を現在履行中
であり、当社のプロジェクト・マネジメント能力及び技術面・価格面での競争力がBPDB
を含む同国の電力セクターより高く評価された結果として受注に至ったものです。

契約内容は、発電設備一式の納入及び土木据付工事を含むフルターンキーで、主要機器
であるガスタービン並びに発電機を三菱重工業株式会社(発電機の製作は三菱電機株式会
社)から、蒸気タービン並びに発電機を富士電機株式会社から調達し、2015年に完工する
予定です。
完工すると、バングラデシュにおいて同国政府系電力会社が所有する発電所としては、
ハリプール複合火力発電所と比肩する同国最大級の複合火力発電所となります。

バングラデシュでは慢性的な電力不足及び経済発展に伴う新たな電源開発が多く計画さ
れています。当社は今後も同国の電力不足の緩和、インフラ整備、経済発展に引き続き
貢献していく所存です。

バングラデシュ電源開発公社(Bangladesh Power Development Board)概要
所在地 : バングラデシュ ダッカ市
設立 : 1972年5月
事業内容 : 同国に於ける発電・配電事業
(*) 複合火力発電 ガスタービンを運転する際に発生する排熱を、排熱回収ボイラにて回
収して蒸気を生成し、その蒸気を使って蒸気タービンを運転させる高効率の発電設備。

■丸紅、バングラデシュ電源開発公社から複合火力発電所建設請負契約を受注
 http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=327103&lindID=2
 (日本経済新聞 2012年12月27日)

バングラデシュ電源開発公社から同国最大級の複合火力発電所建設請負契約を受注

丸紅株式会社(以下「丸紅」)は、バングラデシュ電源開発公社(Bangladesh Power 
Development Board、以下「BPDB」)より、総出力約400MW(40万キロワット)の
ビビヤナ複合火力発電設備建設一式を、韓国の現代建設(Hyundai Engineering&Cons
truction Co.,Ltd)と共同で受注、2012年12月26日にバングラデシュのダッ
カ市に於いて契約調印しました。

当社はバングラデシュにおいてハリプール100MWガスタービン火力発電所2・3号機
リハビリ契約、カルナフリ水力発電所4・5号機リハビリ契約の受注実績がある他、2
011年2月にバングラデシュ発電会社(Electricity Generation Company of Ba
ngladesh Ltd.)から受注した総出力410MW(41万キロワット)のハリプール複合
火力発電所建設案件を現在履行中であり、当社のプロジェクト・マネジメント能力及び
技術面・価格面での競争力がBPDBを含む同国の電力セクターより高く評価された結果と
して受注に至ったものです。

契約内容は、発電設備一式の納入及び土木据付工事を含むフルターンキーで、主要機器
であるガスタービン並びに発電機を三菱重工業株式会社(発電機の製作は三菱電機株式
会社)から、蒸気タービン並びに発電機を富士電機株式会社から調達し、2015年に
完工する予定です。
完工すると、バングラデシュにおいて同国政府系電力会社が所有する発電所としては、
ハリプール複合火力発電所と比肩する同国最大級の複合火力発電所となります。

バングラデシュでは慢性的な電力不足及び経済発展に伴う新たな電源開発が多く計画さ
れています。当社は今後も同国の電力不足の緩和、インフラ整備、経済発展に引き続き
貢献していく所存です。

【バングラデシュ電源開発公社(Bangladesh Power Development Board)概要】
 所在地:バングラデシュ ダッカ市
 設立:1972年5月
 事業内容:同国に於ける発電・配電事業

 (*)複合火力発電 ガスタービンを運転する際に発生する排熱を、排熱回収ボイラ
にて回収して蒸気を生成し、その蒸気を使って蒸気タービンを運転させる高効率の発電
設備。

■丸紅:バングラ火力発電設備受注、300億円-韓企業と共同で
 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MFO8TJ6JTSE901.html
 (ブルームバーグ 2012年12月27日)

12月27日(ブルームバーグ):丸紅 は27日、韓国の現代建設 と共同で、バングラデシュ
電源開発公社から複合火力発電設備を受注したと発表した。同公社の発表によると受注
額は3億4780万ドル(約300億円)で、2015年に完成の予定。

対象のビビヤナ発電所の総出力は約400メガワットと、同国で最大級。過去の受注実績が
今回も評価されたとしている。ガスタービンは三菱重工業 、蒸気タービンは富士電機
から、それぞれ調達する。

■丸紅、バングラデシュ電源開発公社から複合火力発電建設請負契約を受注
 http://response.jp/article/2012/12/27/187894.html
 (レスポンス 2012年12月27日) 

丸紅は、バングラデシュ電源開発公社(BPDB)より、総出力約400MWのビビヤナ複合火力
発電設備建設一式を、韓国の現代建設と共同で受注、12月26日にバングラデシュのダッ
カ市において契約調印した。

同社は、バングラデシュにおいてハリプール100MWガスタービン火力発電所2・3号機リハ
ビリ契約、カルナフリ水力発電所4・5号機リハビリ契約の受注実績があるほか、2011年
2月にバングラデシュ発電会社から受注した総出力410MWのハリプール複合火力発電所建
設案件を現在履行中。

今回の契約内容は、発電設備一式の納入および土木据付工事を含むフルターンキーで、
主要機器であるガスタービン並びに発電機を三菱重工業から、蒸気タービン並びに発電
機を富士電機から調達し、2015年に完工する予定。

完工すると、バングラデシュにおいて同国政府系電力会社が所有する発電所としては、
ハリプール復号火力発電所と比肩する同国最大級の複合火力発電所となる。

■テスコ、タイ製品の輸出促進を目指す―欧州企業のアジアビジネス戦略
 (建設・サービス)― (英国、タイ、バングラデシュ)
 http://www.jetro.go.jp/biznews/50da695677628?ref=rss
 (JETRO 2012年12月27日)

英小売流通大手のテスコは、タイのテスコ・ロータスを通じた2013年のタイ製品の輸出
目標額を150億バーツ(1バーツ=約2.7円)に拡大すると発表した。同社はこれまでもタ
イ商務省などと協力し、タイ製品の販売促進イベントを実施するなど、タイ製品の輸出
拡大を支援してきた。また、バングラデシュでは既製服産業を支援するための技術基金
を設立した。現地工場の生産性と労働環境を改善するとともに、品質の高い衣料品を手
ごろな価格で顧客に供給できる環境の構築を目指す。

■途上国レポート 伊藤聡子さん
 http://nantokashinakya.jp/projects/member_reports/13_SatokoIto_Bangladesh.html
 (なんとかしなきゃ!プロジェクト)

アジアの最貧国の一つバングラデシュでは、世界各国の企業がビジネスを通じた国際協
力を展開しています。
「日本企業にも途上国進出の活路を見出してほしい」。
フリーキャスターの伊藤聡子さんはそんな思いを胸に、2012年10月にこの国を訪れまし
た。

<日本企業の技術で安全な水を供給>

一歩、街中に足を踏み入れると、その力強い熱気に誰もが圧倒される―。 「これから
みんなで成長していこうという、独特のエネルギーを感じますね」。そう話すのは、「
なんとかしなきゃ!プロジェクト」著名人メンバーの伊藤聡子さん。2012年10月中旬、
アジアの最貧国の一つと言われるバングラデシュを訪れました。

「地方から日本を元気にしたい」と、フリーキャスターの傍ら、新潟県にある起業家の
育成を目指す大学院大学で客員教授を務める伊藤さん。全国各地を飛び回り、ソーシャ
ルビジネスなどをテーマに講演も行っています。「現地の人たちと企業が互いにWin-W
inとなるビジネスモデルのヒントを持ち帰りたい」と意気込みを見せました。
日本企業の海外進出、特に、インフラ整備が整っていない開発途上国での事業展開には
数々のリスクが伴います。そんな企業を後押しするのもJICAの役割の一つです。伊藤さ
んが訪れたのは、南部のバゲルハット県の村。株式会社天水研究所がJICAのBOP支援事業
(※)を通じて、貧困層の飲料水確保、健康改善を目指して、“雨水タンク”の開発、
普及に取り組んでいる地域です。

バングラデシュの沿岸部では、湖や池の水が十分でなく、地下水には砒素や塩水が混ざ
ってしまい、飲料水として利用できないという現実があります。そこで天水研究所が考
案したのが、自然の恵みである雨水を溜めて飲料水として活用するための“雨水タンク
”。6カ月の乾期もしのげる雨水を確保できるほどの大きさで、有害物も防ぐことができ
ます。「シンプルながら素晴らしい製品です。安全な水の確保に困っている場所はたく
さんありますから、より広いビジネス展開で、多くの人を救えるといいですね」と伊藤
さんも期待を寄せました。

※ 開発課題(所得向上・教育水準の向上・安全な水の普及など)の解決に資する「BOP
ビジネス」(年間3,000ドル以下で暮らす貧困層を対象にしたビジネス)の実施を検討し
ている企業などに対して、JICAは市場調査、ビジネスの形成、事業実施計画の策定まで
の調査を支援しています。

<オールジャパンで交通渋滞の緩和を目指す>

首都ダッカに戻ると、市内の道路を埋め尽くしていたのは、車、車、車・・・。アジア
の都市の中でも、ダッカの交通渋滞のひどさは有名。渋滞緩和のためにはバスのような
公共交通機関の利用を促進する必要がありますが、料金の徴収に手間と時間がかかるこ
とが利用者にとって大きな課題となっていました。そこで立ち上がったのが、日本のIT
企業、株式会社エヌ・ウェーブとJICA。すでに日本で定着しているSuicaを参考にしたプ
リペイドカードの導入に乗り出しました。2012年4月から「SPASS」と名付けて導入を開
始し、半年の間にバスによっては乗客の6割以上が利用。カードに内蔵されているICチッ
プには、ソニー株式会社の製品を使用。まさにオールジャパンの取り組みです。 伊藤
さんもバス停の窓口でチャージしたカードを使ってバスに乗車しました。「これならバ
スは便利で気軽に利用できますね。渋滞緩和は大気汚染の軽減にもつながりますし、物
流もスムーズになれば経済への好影響も期待できます」と話していました。

<草の根からの息の長い支援 日本のNGO>

さらに伊藤さんは、「なんとかしなきゃ!プロジェクト」のメンバー団体である2つのN
GOの活動を視察しました。その一つがNPO法人アジア砒素ネットワーク。1950年代から地
下水を飲料水として使い始めたバングラデシュでは、地下水に混入している砒素の被害
が深刻です。そこでアジア砒素ネットワークは日本の公害対策の経験を生かし、砒素汚
染対策を実施。濃度が高い村では地下水を使わず、現地の人々と協力して湖の水をろ過
し、飲料水を供給するプロジェクトを展開しています。「村の人たちの心からの笑顔が
安全な水の大切さを物語っていますね」と伊藤さんは感動していました。

また72年の独立以来、この国で息の長い支援を続けるのが、認定NPO法人シャプラニール
=市民による海外協力の会。その活動拠点の一つ、ダッカ市内のスラム、ボナニ地区の
コライルセンターを訪れました。ここは、10~15歳の女の子たちを対象にした教育施設
で、現地のNGOと連携し、国語や英語、算数などの基礎教育のほか、お絵かき、裁縫、保
健衛生といったさまざまな教育を実施しています。
バングラデシュでは女性の地位が低く、女の子は学校にも行けず、家事使用人として働
きに出ているケースが多々あります。ここで学んでいる時は生き生きと将来の夢を語り
ますが、仕事のことを聞かれるとその表情が一気に曇ってしまいます。「彼女たちの笑
顔が大人になっても消えないように、自立のための教育は大切なこと。がんばってほし
いですね。」と伊藤さんもエールを送ります。

日本の企業による新たな挑戦とNGOによる長年の支援 - どちらも、さまざまな課題を抱
えるバングラデシュの発展に、地道に、着実に寄与しています。「日本の経験や技術が
役だっている現場を見て日本人としてとてもうれしい。国際協力を持続可能なものにす
るためにも、バングラデシュで行われている様々な取り組みが成功するよう期待してい
ます」と伊藤さん。帰国後、そのメッセージを日本各地で発信しています。

■バングラデシュ短信 : 2012年11月上旬
 http://aap-net.com/docs/bg2012-11a.pdf
 (アジアアパレルものづくりネット 2012年12月27日)

1.バングラデシュ繊維産業を取り巻く状況
①縫製工場の賃金支払い状況
10/25、ダッカの BGMEA 事務所での記者会見で、バングラデシュ・衣料メーカー及
び輸出協会のチーフのシャフィウール・イスラム・モイウッディンは、「資金問題のあ
った衣料工場の大部分は、10月末のイード・ウル・アザの前までに労働者たちに賃金
を支払った。600の工場のうち572の工場が、既にこの月のすべての給料とボーナ
スの支払いを済ませ、残りの工場も明日までには済ませるであろう」と語った。なお、
BGMEA のリーダーたちはいかなる混乱も避けるために団体のメンバーではない500の
中小企業経営者たちにも、工場で働いている労働者たちに予定通りの支払いが確実にな
されるように努力しているという。
モヒウッディンはさらに、「詐欺疑惑で現在トップが逮捕され活動停止状態のホールマ
ークグループの1,700人の従業員たちにも貿易団体と協力して、総額約1億タカ相当
の支払いを確実にする」と述べた。「もし、これらの措置を取らず、労働者が騒動を起
こし、欧米からの契約がなくなってしまえば、インドが世界衣料市場に手ごわい相手と
して登場してきたので、バングラデシュはかなりの痛手となるであろうと思われる。そ
の上ミヤンマーも、多くの投資家たちが、数十年の軍政権が続いた後のリフォーム中で
ある繊維衣料部門に大金を注いでいるので、バングラデシュのとって強敵である」と、
モヒウッディンは続けた。
②GAPの動向
10月下旬、バングラデシュの大手衣料業者であるハミーン・グループの AK.アザド社
長は、「アメリカの衣服巨大小売店 GAP の国内 GAP のシニア副社長ボビー・シルテン
が、今後、毎年30%ずつバングラデシュからの購入を増やしていくだめに、バングラ
デシュを訪れる予定である」と語り、「現在、GAPは数億ドルに値する高級衣料をバング
ラデシュから毎年購入している」と、彼は続けて言った。
GAP の関係者は、「約束された納期通りに、増えただけの衣料を輸送することが確実に
できる能力があるかどうかを確かめたい」と話した。バングラデシュ商工会議所の会長
でもあるアザド社長は、「シルテンは、政府高官とも会い、労働争議や工場へのガス電
気の配給が不足していることなどに関して話すと思われる」と語り、また「労働争議が
起こらないように、より高い賃金を経営者たちに求めている」と言った。

③テスコの動向
バングラデシュの既製服部門を援助するために、ロンドンを基盤にしている有名なアパ
レルスーパーマーケットのテスコとイギリス政府の国際開発局(DID)が、共同でダッカに
アパレル技術財団(ASF)を設立した。ASF は2015年までにバングラデシュの25万
人の労働者たちの生活を向上させるために、100以上ある工場のオーナー、マネージャ
ーそして労働者を訓練することを計画している。バングラデシュ衣料メーカー及び輸出
協会の副会長シディクール・ラハマンは、「基本的に ASF は、それぞれの有名な衣料工
場における、中級レベルのマネジメントオフィサーを訓練していくことを目標にしてい
る」と語った。
テスコの会社法律関係の専務理事ダイム・ルーシー・ネビル-ロルフは、ダッカのウット
ラでの開会の際に、「バングラデシュ産業の長期にわたる競争性、安定性を確立する A
SF の主な目的である。同時に生産性や労働条件の向上の方法を示して生きたいと考えて
いるし、オーナーや役員の労働者を管理する技術を向上させ、倫理的な指導や生産性を
高めるための、新しい生産技術を開発する訓練を行うことにしている。ASF は既にテス
トプログラムを開始し、労働者の長い労働時間を減らし、生産性に応じたボーナスを与
え、新入りの労働者と二人一組になり指導していくシステムの実行を開始している。財
団のプログラムには労働環境を持続的に向上させることも含まれている。ASFはスマート
で持続的なビジネスソリューションである」と、述べた。「財団の初期投資は48万ド
ルと推定される」とダッカのイギリスハイコミッションの関係者は語った。

④最近の米国の対応
在ダッカの米国大使:ダン・W.モゼナは、商工会議所(FBCCI)の外国投資部門が毎月市
内のホテルで行うランチ会議のチーフゲストとして、「バグラデシュは米国市場で優遇
処置(GSP)を得たいならば、労働条件や彼らの権利に関する問題をもっと見直すべきで
ある。われわれは、バングラデシュの労働環境や労働者の権利が一向に改善されないこ
とに、不満を持っており、GSP 優遇に関する書簡にマイナス信号をワシントンに送った。
バングラデシュの GSP 優遇に対する米国の決定は、すでに5年間も延期されており、こ
れば米国史上最長である」と、演説をした。また「現在のバングラデシュと米国の貿易
関係は、以前にもなくとてもよくなっている。ここバングラデシュでの私の任務は両国
の関係をより強いものにすることであり、私は現在の関係を大いに歓迎している。バン
グラデシュは地域貿易を育てる場と見ている。技術面に投資する可能性のある場所であ
る」と大使は続けて述べた。
彼は「わが国の外務大臣ヒラリー・クリントンとバングラデシュ外務大臣ディプー・モ
ニは、二国間の貿易、投資、安全向上に対する協力ダイアログに署名した。バングラデ
シュの全体的な成功に関して、医薬品、皮、ジュート、農業製品部門などは成長が目覚
しいので海外市場に名を響かせるだろう。バングラデシュの農業改革のおかげで、バン
グラデシュは現在、自給持続できるようになった。バングラデシュは海上国境権利も安
全を確保している」と述べた。FBCCI 会長スエド・エルシャド・アハメドは彼の歓迎ス
ピーチの中で、「米国とバングラデシュの貿易関係はすばらしいものである」と述べた。
米国はバングラデシュでの最大の投資国である。

⑤輸出と繊維
2012年度第1四半期では、新しい市場への輸出の増加が見えた。これまでの市場で
経済危機にさらされていた部門には。これは明るい兆しである。11の新しい出荷先を
見てみると、第1四半期で5億2761万ドル相当になっている。輸出推進委員会のデ
ータによると、昨年度の4億1012万ドルから28.6%上昇している。2007年
の経済危機の襲来から、バングラデシュはアメリカ、ヨーロッパ連合、カナダなどの伝
統的な輸出先への輸出の減少を相殺するために、新しい輸出先を探し始めた。オースト
ラリア、ブラジル、チリ、インド、日本、韓国、中国、メキシコ、ロシア、南アフリカ
及びトルコなどは有望な市場と見られている。そしてマレーシア、ニュージーランド、
ノルウェー、サウジアラビア、タイと続く。新市場のすべての輸出のうち、織物アイテ
ムが31%となり、2億8061万ドルと上昇している。中でもニットウエアは2億4
700万ドルで昨年よりも26%上昇している。
バングラデシュ衣料メーカー及び輸出協会副会長のファルク・ハッサン、「バングラデ
シュは、中国から欧州市場を奪い取るような生産の増加を通して、その競争力を増さな
くてはならない。中国は今生産コストの上昇で不安定な状態にある。バングラデシュが
欧州で No.1になれる。もし EU負債危機が長く続いても、われわれが開発した新しい
輸出先では、うまく貿易を続けていくだろう」と言った。

⑥テキスタイル・フェア
国内テキスタイル産業の最新開発を展示する「テックスバングラ-2012」が、11月
27日から3日間、市内で開催される。バングラデシュ繊維紡績協会(BTMA)の傘下の
繊維紡績24工場が集まり、展示会場に40ブースを構え、そこに製品を展示すると主
催者は語った。11月30日には、ファッションショーやカルチャーイベントもボンゴ
ボンドゥー・国際会議センター(BICC)で開催される。そこには財務大臣もチーフゲス
トとして出席する。
現在、国内の繊維紡績工場から90%の糸と35%の生地が、輸出向けの国内衣料品製
造工場に出荷されている。2011会計年度の201億3000万ドル相当の衣料品輸
出のうち国内の紡績産業の貢献は、まだ90億ドルであった。バングラデシュ衣料品製
造工場の未来は、これらの紡績産業の育成にかかっている。

2.政府が輸出奨励金を支給
11月、バングラデシュ政府は60億タカ(約60億円)の現金を奨励金として、輸出
業者に支払った。国内のジュートとジュート製品輸出業者は、8億7500万タカを受
け取った。残りの輸出業者が51億2500万タカを受け取ることになっている。現会
計年度の予算では、合計240億タカ(約240億円)の奨励金が、17の輸出業者に
配分されることになっている。政府は主な輸出工業製品が、ユーロゾーンやアメリカで
の経済崩壊で打撃を受けており、それらの企業の競争力を回復させるために、現金奨励
金を率先して提供している。
2011年度では約19の輸出部門がこのような便宜を受けていた。これらのうち、仕
上げ済みの革製品は4%、外皮には3%、自転車15%そして鶏肉アイテム15%など
が主なものであった。2012年度は、国内繊維と船輸出部門が5%、ジュート商品、
海老、その他の魚やライトエンジニアリング、ペットボトルフレークスなどは10%、
農業ベース農業加工製品、ジャガイモ、10%、精肉は20%、骨塵輸出業者は15%、
アメリカ、カナダ、ヨーロッパ連合以外の新しい市場向けの繊維輸出業者は2%の現金
奨励金を受け取った。

3.日本政府の援助計画
「日本政府はバングラデシュ、ベトナム、中国を含めてアジアの国々の工業化のために
大型の投資をすることを計画している。バングラデシュは日本からの投資を優先的に得
るであろう」と、日本大使:佐渡島志郎氏は、ノウシンディのダンガで、バングラデシュ
最初の民間部門インランド・コンテナターミナルのサイトを訪れた際、それをほのめか
した。
佐渡島日本大使は、JICA の代表や日本大使館の開発協力及び経済課のカウンセラーとと
もに訪れていた。日本の使節団は、日本政府がこの工業地帯のため、どのようなサポー
トでも提供することを地元の会社に保証した。佐渡島日本大使は、JICA と日本貿易振興
会(JETRO)に、「優先的にこの工業地帯に投資できるように早急に計画すること」を要
求した。
AK カン・アンド・カンパニーリミテッドの会長 AK.シャムスウッディン・カンは、「バ
ングラデシュが現在一番必要としているこのプロジェクトに、合弁で事業展開ができる
ように、日本の使節団を招いた。インランド・コンテナターミナルはこの工業地帯を発
展させるために多いに役立つであろう」と彼は述べた。地元の国会議員アンワール・ア
シュラフ・カンは、「インランド・コンテナターミナルは特に北西地方の輸出入製品の
運搬に役立つであろう」と語り、「この工業地区は私の選挙区の人々のために直接また
は間接的に役立つであろう」と付け加えた。会社社長のサラウッディン・カセム・カン
は、「ノルシンディの工業地帯の建設は、1万人の人々が就職できる仕事を生み出すであ
ろう」と言った。

4.JICAの支援
国際協力機構(JICA)は中小企業(SMEs)が、中長期の金融市場を開発できるように、
41億5000万タカ(約41億円)相当のソフトローンを提供した。中央銀行は既に
商業銀行や非銀行金融機構(NBFIs)を通して、国中の中小企業を発展させるために基
金の出資を始めた。21の商業銀行と18のNBFIは、既にバングラデシュ銀行(BB)と
個人参加方式金融機関(PFIs)として、新財政基金の出資のため契約を交わした。JIC
A 主任代表戸田隆夫氏は、「PFI は中小企業の発展のためにより率先的にならなくては
ならない」と、地元のホテルで行われた能力形成訓練プログラムの開会式のチーフゲス
トとしてのスピーチで述べた。中小企業発展のための JICA 協力による金融部門プロジ
ェクトの訓練プログラムは、中央銀行のプロジェクト実行ユニットによって開催された。

JICA 代表は、「中小企業は国の発展に大変重要な役割を果たすであろう」と語った。バ
ングラデシュ銀行の副総裁アブール・クアセムは、「我々は国中の中小企業の発展のた
めに多くの新財政計画を導入した。中小企業は雇用機会を作ることで経済成長促進に貢
献してきた。さらに中小企業は貧困緩和にも役立っている」と語った。 バングラデシュ
銀行の常任理事 AHM カイ・カスルは、「国の民間部門のために、日本は現在融資を用意
している」と語り、「このプロジェクトは中小企業が中長期財制限を形成するのに役立
つであろう」と付け加えた。バングラデシュ銀行中小企業特別プログラム局の業務部長
スカマル・シンハ・チョードリは、「プロジェクトは既にその機能を開始し、首尾よく
前進している」と言った。

5.日本からの投資を求める
国内のトップビジネスリーダーたちは、佐渡島日本大使に、バングラデシュへの日本投
資を引き付けるために、協力を求めた。日本の多国籍企業フジフィルムがこのために活
動を始めた。人々の生活向上のために、来年の3月、アスタリフトブランドがバングラ
デシュ市場に初登場する。発表会場で佐渡島日本大使は、「バングラデシュの人々の生
活の質を向上させるには日本のブランド・アスタリフト が最適であり、その製品は最高
の質を持続させるであろう」と語った。日本は長年にわたり投資、相互均衡貿易、商業
関係での友好関係を続け、バングラデシュの親友になっている。
講演の中で FBCCI会長AK アザドは、「新しく紹介される製品は高品質製品であるが、高
価でもある。アスタリフト・バングラデシュは不当な利益の獲得は避け、多くの人々が
購入持続可能にさせるようなよりよい市場を心がけて値段を下げること」を要求した。
さらに彼は、佐渡島日本大使に、バングラデシュへのより多くの日本投資を求めた。同
時に彼はバングラデシュに協力を拡大してくれた佐渡島日本大使に感謝した。それに応
えて、「フジフィルムは地球上の人々の生活の質が向上するようにどんな努力でもして
いく。われわれはアスタリフトのユニークな製品のラインアップで、世界中の人々が健
康と美容を維持できる社会を築き上げるために、80年にわたる研究開発の経験や技術
を持っている。来年3月に上陸すれば、バングラデシュで人気のブランドになるだろう」
と、フジフィルム側のスピーカーは述べた。

6.日本投資協議
「バングラデシュでの日本投資を増加するための特別作業班の最初の会議が開かれた」
と、11/19、日本大使館が発表した。佐渡島志郎日本大使は、投資委員会の役員議
長MAサマドが議長を勤めた会議に出席した。佐渡島大使は財政規則に則り、もっと簡単
な査証手続きと労働許可の必要性を強調した。会議では大使が要請した投資家と彼らの
家族に対しての査証期間の延長に合意した。基本的には1年間のビザが認められ4年間
延長できることになった。佐渡島大使は L/Cの適切な実施、送金支払いの規制緩和そし
て船荷証券の適当な出荷の必要性も強調した。

7.政府の女性企業家支援
「女性企業家たちは国の経済で偉大な役割を果たしており、工業向けの活動にも大幅に
もっと参加することを奨励すべきである」と、工業省ディリプ・バルアは述べた。 さら
に彼は、「バングラデシュが中流収入国のステータスを獲得するには、女性の企業参加
が大きく必要である」と言った。バルアは1か月にわたるフェアー「第6回国際女性中小
企業エキスポ2012」の開催式のチーフゲストとして、港町のポロ・グランドで演説
した。その中で、中小企業(SME)を推進するために考案中のミルサライ・工業地帯に計
画を割り当てるなどのように、女性企業家たちを政府から援助し、もっと工業向けの訓
練をするべきであるとこと。またバングラデシュ商工会議所(FBCCI)のビジネスリーダ
ーたちに、引き続き女性企業家を支持し援助するように。さらに銀行にも女性企業家が、
担保なしまたは低利子融資が利用できるように」と要請した。
FBCCI 会長 AK アザドは輸出推進委員会(EPB)に、「女性企業家の製品に対して輸出手
続きをより簡素化するべきだ。次期 FBCCI 主任にそのような企業家たちが、無料で国内
国外の博覧会に参加できるように取り計らうように」要求した。おかげで次回から、3
00店が参加可能なこのイベントに、女性企業家だけの店舗を100店用意し、新しい
女性企業家は無料で店舗を出すことができることとなった。

■バングラデシュ短信 : 2012年11月下旬
 http://aap-net.com/docs/bg2012-11b.pdf
 (アジアアパレルものづくりネット 2012年12月28日)

ダッカ市内で、縫製工場の大火事 死者115人
①火事の真相
11/24(土)の夕方6時50分ごろ、バングラデシュのダッカ市内アシュリア工業
ベルト地帯にあるタズリーン・ファッション・リミテッドの8階建ての工場で火事が発
生、少なくとも109人が死亡した。火は11時間ほど燃え続け、日曜日の午後5時5
5分に鎮火した。バングラデシュ衣料メーカーおよび輸出協会は死者の合計数を115
人と発表した。少なくとも55の焼け焦げた遺体がダッカメディカルカレッジの死体公
示所に安置され、遺体から DNA サンプルが昨日採集された。身元不明の遺体は首都のジュ
リアン墓地に埋葬されることになっている。
なお、原因については、現在も調査中であるが、1階の電気配線からの出火ではないか
と見られている。
消防隊オフィサーのファルハドゥザマンは、「8階建ての工場の三つの階から合計10
0人の焼死体が見つかった。そのうち69体が4階、21体が5階、10体が6階から
見つかった」と語った。また消防隊関係者は、「焼け方がひどく身元を判明するのは困
難である。遺体は隣のニスチンタプール小学校のグラウンドに安置されているが、まだ
数名の人々が行方不明のため死者の数は増えるだろう」と、話した。消防士や目撃者の
話しによれば、炎から逃げようと8階建てのタズリーン・ファッションの各階から飛び
降りて死亡した人も多いという。工場の代表取締役でロワール・ホセインは、「事故が
起きたとき約300人の労働者が工場の中にいた」と語ったが、実際には火災が起きた
とき約1,800人の人々が工場内で働いていた。
鎮火後、被害者の家族たちは、瓦礫から死体を引き出している救助現場から失われた身
内を探しながら、「もし現場の責任者が6時45分に鳴った最初の警報後、すぐに労働
者を避難させていたらほとんどの人が死なずにすんだであろう」と語った。生存者の一
人は、「工場長を始めとする現場責任者たちは、労働者が持ち場を離れるのを妨げただ
けではなく、それぞれのゲートに鍵を掛けた。工場1階に通じる階段3つのうち二つに
鍵が掛かっていた」と言った。消防・民間防衛(活動とメンテナンス)のディレクター、
マジ・マハマッド・マハブブは、「消防士は階段のゲートには鍵が掛かっており、救出
作業をする際、南京錠を壊して開けなくてはならなかった」と語った。炎から逃げるた
めに労働者たちは他のゲートに殺到した。逃げる途中、現場責任者に労働者たちは、「
仕事に戻るように」と言われた。それを聞いた労働者たちは、火事は小規模のものです
ぐに消えるだろうと思い、作業現場に戻った者もいたという。
しかし火事は大規模なものだった。炎は各階に燃え広がった。煙が8階建てビルの隅々
まで充満し、電気が消えた。炎は一階に置いてあった生地や糸に急速に燃え広がり、労
働者たちをビルの中に閉じ込めてしまった。炎から逃れるために多くの人たちはビルか
ら飛び降りて死亡したが、ビルに取り付けてあった足場につかまりながら下りて助かっ
た人たちもいる。
一方、消防隊は交通渋滞に阻まれ、現場に到着するのに1時間半かかった。ダッカ市内
のから18か所以上の消防団たちが駆けつけ、11時間以上掛かって火を消し止めた。
また工場の防火安全システムは基準以下だった。ビルには1階への唯一の出口に通じる
階段は3か所しかなかったのだ。工場の持ち主トゥバ・グループの代表取締役デルワー
ル・ホセインは、「十分な火災安全対策が採られていたが、事故が起きたとき労働者た
ちがそれらを使いこなせなかった」と言い、「避難訓練を数日前に行ったばかりだ」と
も語った。
トゥバ・グループのウエブ・サイトには、この工場は、ウォルマートの検査によって、
2011年5月に「ハイリスク工場」であると指摘された文書がアップされた。その中
には避難路が荷物でふさがれてしまっていること、非常口に鍵がかかっていることなど
の指摘があり、2年間以内に、このような状態が改善されない場合には、少なくともそ
の後1年間はその工場に発注禁止措置をとるとも書かれていた。しかしながら実際には
この指摘は改善されておらず、工場の踊り場や廊下に積み重ねられた生地と糸に火がつ
き避難路を死の落とし穴へと変えてしまったのである。

多くの労働者は、窓の金属バーを壊して隣のビルへ避難した。そのビルの持ち主マハム
ド・アリ・シクダールは、「二つの建物をつなぐために竹の板や鉄板を渡した。それを
つたって400人以上の人々が彼のビルから避難してきた」と言った。何十人と言う人
々が、火が1階に広がった後、火の手を消そうとした。「火の手を沈めようとしたが、
燃えやすい生地や糸にどんどん火が広がり、われわれは結局あきらめた」、工場の1階
で働いていたモミヌール・ラハマンは言った。「1週間前に避難訓練をしたばかりだっ
た。そして15人は水や消火器を使って火を消す訓練を受けていた。しかしこのときは
何をしてもだめだった。」と言った。「数分で停電になり、廊下や階段を伝わって炎は
燃え広がった。そしてすべての出口をふさいでしまったのだ」と、モミヌールは続けた。
火の手が発見されるよりもっと前に火がついていたのではないかと思われている。また
生存者の一人は、警報機の音を隠すために、責任者が大きな音楽を流したとも話してい
る。
5階で働いていた生存者スエド・アシュラフール・ザマン・カッロルは、「生産責任者
デュラルとランジュと、工場責任者ラッザックは、警報が鳴った後労働者たちが避難す
るのを妨げた」と言った。「もし工場から離れることを許可していればこのような異常
なほどの数の死者が出ることはなかっただろう」と4階の窓を壊して隣のビルに逃げて
助かったカッロルは語った。もう一人の生存者マハブブ・アラムは「工場関係者は我々
を、自由行動を否定された囚人のように扱った」と、話している。

②各分野での事後の対応
衣料工場での火災での死亡事故をストップさせる方法の話し合いが、市内のプロトム・
アローの事務所で行われた。その場で、カルモイビ・ナリ(女性権利を確証する機構)
の最初の会長シリン・アクターは、「この工場のオーナーは直ちに現場責任者など彼の
雇用人が犯した罪のために逮捕されるべきである」と言った。またサッミリタ・ガーメ
ンツ・スラミク機構(衣料労働者のプラットフォーム)会長のナズマ・アクターは、「
彼の罪を書類に示さなければ、労働争議を鎮めるのは難しくなるであろう」と語った。
バングラデシュで繊維製品を委託製造している多くの海外の既製服小売業者の現地代表
も、「バングラデシュの企業は安い労働賃金を利用して自分のポケットを肥やし、労働
者を危険にさらしてきた」と言った。消防隊および民間自衛(活動とメンテナンス)の
ディレクター、ムハマッド・マハブブ少佐は、「階段が通じている1階に置いてあった
衣料の材料はとても燃えやすく、高熱を発し、濃い煙を立ち上げた。それで労働者たち
は閉じ込められ窒息死してしまったのだ」と語った。
労働雇用省の書記官責任者であるミカイル・シパールは、「アパレル工場は、労働者を
強制的に扱い、労働法やそれに関する安全規則に反している」と言った。工場での安全
な労働環境を確実にする責任のある官庁の工場監察局は、「法律では314のポジショ
ンを要求しているのに、現在実際には184しかない。ダッカ市内全体でも、たった4
人しか監察員がいない。有効総人員を増そうと繰り返し試みているが結果がまだ現れて
いない」と、語った。ニットウエアメーカー及び輸出協会(BKMEA)の会長セリム・オス
マンは、「アパレル工場のオーナーたちに、部門の安定した成長のために労働法や環境
法を遵守すること。それぞれの工場で電気分布ボード、スイッチ・ボード、サーキット、
消火器、熱感知器を再点検すること。反対側のゲートも含めて工場のメインゲートをい
つも開けておくこと、そして通り道には障害物を置かないこと、また工場付近では禁煙
にするように」と、呼びかけた。
数日後、15の消防サービスチームが、アシュリア工業ベルト地帯の73の工場を点検
した結果、3分の1の工場が十分な消火機能と労働者の安全機能を備えていないことが
判明した。非常口のない工場、十分な安全機能のない工場が摘発された。消火機能のな
い工場はひとつもなかったが、多くの工場の消化器が使用有効期間を大幅にオーバーし
ており、火災の際、十分に機能するものではなかった。また消火器が空になっていても
補充されていない工場が多くあった。労働者やスタッフに対して毎月の避難訓練を行っ
ていない工場が多かった。消防サービス部長のアブドゥス・サラムは、彼の直属チーム
にザラボの5つ工場を点検させた結果、そのうちの2つの工場(シャープ染色・プリン
ティング工場会社、ロレスク・ファッション・リミテッド)が、十分な消火器を備えて
いないことがわかった。サラムはこれらの工場に、ファイア・サービス・ライセンスを
キャンセルすると勧告した。
アシュリアの産業警察の副部長モクタール・ホセインは、「われわれも消火チームに同
行し、警察署の落ち度がなかったかどうかを調べた」と言った。消防サービス部長のア
ブドゥス・サラムは、ファイア・ライセンスの更新をチェックするために、すべての工
場を検査し、「ファイア・ライセンスを更新するとき、すべての工場を確実に調査する
には、工場の数に比べて、調査官の人数がとても少ないので、現時点では不可能である」
と、語った。タズリーン・ファッションでの大火災から5日経って、衣料メーカーは R
MG 生産ユニットでの防火装置をグレードアップする強力な委員会を結成することを決定
した。
バングラデシュ衣料メーカーおよび輸出協会(BGMEA)の副会長のディクールラハマンは、
新聞に死亡した被害者の家族に10万タカずつ手渡すと発表した。BGMEAの会長セリム・
オスマンは、ナラヤンゴンジの本部でイスラム教に則り祈りをささげ、施しをした。工
場主のデルワール・ホセインが、「火が8階建ての工場を飲み込み始める15分前に工
場を訪れていた。普通工場主が現れるときは、工場責任者から安全管理を徹底し労働者
規則を守り、きちんとしておくように言われているが、その日は前触れもなく訪れ、知
らないうちに去っていた」と、工場責任者の一人は語っている。

③火事の国際的影響
輸出業者や分析者たちは、「アシュリアのタズリーン・ファッションで起きた火災は、
中国の後に衣料の主なアイテムの輸入先としてバングラデシュをターゲットにしている
外国のバイヤーたちに、マイナスシグナルを送るであろう。悲劇は国のもっとも大切な
部門を襲った。有名なアパレル・バイヤーたちは、中国での賃金高騰のためバングラデ
シュや他のアジアの国々に仕入れ先を移そうとしていた矢先のことだった。有名なバイ
ヤーの中には、既に彼らのために衣服を作っている労働者たちのことを心配し始めたも
のもいる。大火災が起きたタズリーン・ファッションのオーナーは、外国のバイヤーた
ちが離れてしまうのではないかと恐れている」と、語っている。ウォルマート・ストア
やターゲット・コープを顧客に持つリー・アンド・ファングは、「私の会社のために衣
料アイテムを作っていたタズリーン・ファッションのオーナーに、今、連絡を取り詳細
について聞き取り調査をしているところだ」と語った。反面、タズリーン・ファッショ
ンを所有するトゥバ・グループの代表取締役デルワール・ホセインは、彼のバイヤーの
一人であるリー・アンド・フングの関係者が、「哀悼の意を表しに来た」と言った。ブ
ルームバーグによると、香港を本拠にしている発注者は、独自に捜査をすると言った。

既製服製造業はバングラデシュの国内総生産の10%以上に上り、国の輸出、特にアメ
リカやヨーロッパ市場に向けての約80%を占めている。輸出業者や分析家たちは、「
外国のバイヤーたちは火事やその他の労働者問題にとても敏感である。彼らは100人
以上も死者を出した火災の後では、バングラデシュの工場への注文をすることに躊躇す
るだろう。多くのバイヤーたちがバングラデシュを、彼らの外注先のリストから外した
り、ベトナムやコロンビアに変えることも考えるだろう」と言っている。トゥバ・グル
ープのウェブに貼り付けられた投稿には、2011年5月、タズリーン・ファッション
が世界最大の小売業者であるウォルマートの倫理協定部門から、「ハイリスク工場」と
見なされていたことを暴露している。

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