バングラデシュのニュース(2015/02/09) ◇世界なぜそこに日本人? 2/9 21時~ その2

■〔決算〕島精機、4~12月は増収増益=アジア向け販売が好調
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201501/2015013000821
 (時事通信 2015年1月30日)
 
 島精機製作所=2014年4~12月期連結決算は増収増益。主力の横編み機
はバングラデシュ、中国などのアジア向け販売が好調で、特にバングラデシュは
前年同期比で売上高が3.3倍の伸びとなった。国内向けは前期で新機種への入
れ替えが一段落したことからやや減少した。

■2030年までに「貧困ゼロ」を――ノーベル平和賞受賞者・ムハマド・ユヌス氏
インタビュー
 http://www.alterna.co.jp/14465
 (オルタナ 2015年1月27日)

経済学者であり、貧困層向けに小額融資(マイクロファイナンス)を行うグラミ
ン銀行を1983年に設立したムハメド・ユヌス氏。貧困削減のための新しいモ
デルを提示し、バングラデシュの貧困削減に貢献したことが評価され、2006
年にはノーベル平和賞を受賞した。利益の追求ではなく、社会問題の解決を志向
する「ソーシャル・ビジネス」について話を聞いた。

――グラミン銀行は、バングラデシュの農村で、貧困にあえぐ村人に856タカ
(27ドル、当時)を貸したことから始まりました。それが今では8千人を超える
利用者がいます。マイクロファイナンスは貧困削減にどのような効果がありまし
たか。

これまで、グラミン銀行の利用者に関する多くの研究が行われてきました。世界
銀行と連携し、グラミン銀行を利用する前と、利用してから10年後の変化を追う
調査を行いました。

その結果、グラミン銀行の利用者のうち、年間5%の人が貧困から抜け出してい
ることが数値として出てきたのです。

調査では、個人を相対的に見るのでなく、一人の利用者が10年かけてどのように
変容してきたのかを、見るようにしています。

■ MDGsを早期に達成

――2030年までに全世界から貧困をなくすことを目指されていますが、現時
点でどのくらい達成していますか。

バングラデシュでは素晴らしい効果が出ています。国連のミレニアム開発目標(
МDGs)では、1990年と比較して1日の収入が1ドル未満の人口比率を2
015年までに半減することを目標にしていますが、バングラデシュでは201
3年6月に達成しています。

2030年までに「貧困ゼロ」を目指していますが、できる限り早い段階でそれ
を達成したいと考えています。

――大企業は、素晴らしい社会的なプロジェクトを立ち上げる一方、時には環境
問題や児童労働問題を引き起こすこともあります。グラミン銀行は多国籍企業と
パートナーシップを組んでいますが、そうした大企業に期待することは。

それぞれの企業が社会に良いことをしたいという意志を持っていますが、ミッショ
ンの外側で行っていることがあります。

多くの企業のミッションは、「利益の最大化」。そうなると、企業として社会的
な活動をしようと思っても、時間が足りなかったり、エネルギーを注ぐことがで
きなかったりします。

企業には、2つの選択肢があります。一つは、企業そのものをソーシャル・ビジ
ネスにすること。もう一つは、いまの会社や事業を続けながら、ジョイントベン
チャーや100%子会社を立ち上げ、ソーシャル・ビジネスを実践することです。

――日本企業にはもともと、「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よ
し」という考え方があります。長い人類の歴史のなかで、西洋型の今のビジネス
の歴史はわずか100年程度です。もともと世界中で「三方よし」のように、社
会を意識した考え方があったと思いますが、いかがでしょうか。

「三方よし」という考え方は、とても良いことです。文化や歴史を組み込みなが
ら、会社が発展してくことは素晴らしい。

西洋の考えに基づいた資本主義をそのまま日本のなかで適用することに無理があ
ります。日本では、自分の利益の最大化を志向する風潮がありますが、それは本
当の資本主義ではないのです。

日本の文化のなかで進めていくということが大変重要だと思います。

■「無私」の自分に気付く

――社会的インパクトを高めるために、どのように人を巻き込んでいけば良いで
しょうか。

人には「セルフィッシュネス(私)」の部分と「セルフレスネス(無私)」の部
分があります。

椅子でたとえてみましょう。会社の椅子に座っていると、自動的に会社の利益を
考えてしまいます。利益を上げることばかりを考えるのに良い環境なのです。そ
れ以外に意識がいきません。

家に帰り、家族と話をするとどうでしょう。そこでは会社の利益ではなく、貧困
問題、戦争、誰もが考える社会問題について考えられるようになります。

では、ソーシャル・ビジネスの椅子はどうでしょう。会社の椅子では生かせなか
った「無私」の部分を生かせます。

人を巻き込むとは、そういう椅子に座らせること。リラックスしてもらい、「無
私」の自分に気付いてもらうのです。

誰しも、一人の自分のなかに、良い部分と悪い部分があります。そのどちらを生
かすかは自分次第なのです。

良い部分を使えば、人を助けたり、社会をより良く変えたりすることもできる。
悪い部分を使うと軍隊に入って戦争をして人を殺してしまったりする。どちらを
使うか。責任をどこに置くかによって、その人がどうあるかが変わってくるので
す。

ソーシャル・ビジネスは自己の良い部分を生かすよう力付けるものなのです。

――一般的にいわれるソーシャル・ビジネスとユヌス・ソーシャル・ビジネスの
違いは何でしょうか。

私たちは「ソーシャル」という言葉をあらゆる意味合いで使っています。

世の中には社会的企業、社会的起業家などがあり、ソーシャル・ビジネスもそれ
らの一部だと混同しがちです。

そこで、明確にするために「ユヌス・ソーシャル・ビジネス」という言葉を使っ
ています。「ソーシャル」の概念がはっきりしていれば「ユヌス」の部分を省い
てもいいのです。

日本では「ソーシャル・ビジネス」というと、寄付やボランティアなど社会活動
に関連する全てのことを意味します。しかし、私の意味するソーシャル・ビジネ
スではありません。

7原則に基づく「ビジネスの仕組み」で社会的課題を解決していくこと、そして
パートナーシップを組むことなのです。

<ソーシャル・ビジネスの7原則>
1.人々や社会を脅かす 貧困、教育、健康、技術、環境といった何らかの社会問
題を解決する
2.財務的、経済的に自立し、持続する
3.投資家は、投資額以上の利益を得ることはできない
4.当該会社の利益は、ク?ラミン・ソーシャル・ヒ?シ?ネスの普及とより良い実
施のために使われる
5.環境に配慮する
6.社員に対し、良い労働条件ておよび給料を提供する
7.楽しみなか?ら

◆ムハマド・ユヌス(グラミン銀行創設者)
1940年、バングラデシュ チッタゴン生まれ。チッタゴン・カレッジで講師を務め
たのち、大学で経済学博士号を取得。1972年にバングラデシュに帰国後、1974年
の大飢饉による貧しい人々の窮状を目の当たりにして以来、同国の貧困撲滅のた
めの活動を開始。1983年に無担保小口融資(マイクロクレジット)を行うグラミ
ン銀行を創設した。2006年にグラミン銀行とともにノーベル平和賞を受賞。教育、
医療、エネルギー、情報通信などの様々な社会課題を解決する50社以上のグラミ
ン関連企業(グラミン・ファミリー)を経営。

◆福井崇人(ソーシャルデザイナー)
カンヌ、ニューヨークADC、ADC賞など、国内外の広告賞の受賞歴多数。数多くの
ソーシャルアクトを起こす。2003年、環境省「環の国くらし会議」分科会メンバ
ー。2005年、NPO2025PROJECT発起。現在電通ソーシャル・デザイン・エンジンの
代表であると同時に、プロボノで2025PROJECTを活動中。金沢美術工芸大学、熊本
大学大学院、上智大学大学院、宮城大学の非常勤講師。書籍のプロデュースに、
宮あおい、将兄妹のチャリティーブック『たりないピース』、『Love,Peace &
Greenたりないピース2』、川嶋あいのチャリティーブック『大丈夫だよ』、『
エコトバ』、『この子を救えるのは、わたしかもしれない』、『ミスキャンパス
presents世界を変える仕事44』、『希望をつくる仕事ソーシャルデザイン』、藤
岡みなみのチャリティーブック『シャプラニール流人生を変える働き方』ほか。

■市民講演会「水危機克服へ 讃岐からの国際協力」
 http://www.kagawa-u.ac.jp/articles/000/015/043/
 (香川大学 2015年2月11日)

日時:2月11日(水・祝)13:30~16:00
場所:香川大学OLIVE SQUARE2階多目的ホール(高松市幸町1-1)

プログラム(一部抜粋)
開会挨拶 (13:30)
 板野俊文(香川大学副学長)
基調講演 (13:35)
 「気候変化とバングラデシュの人々の暮らし」S.Iカーン博士(NPOグラムバン
グラ議長)
 「アジアの水問題とJICAの取り組み」松本重行(JICA国際協力専門員)

さぬき発 実践報告(14:50)
 「香川県におけるJICA研修『アジア・アフリカ地域 農家組織によるため池を
利用した地域の水管理』の取組と成果」
   中村康明(香川県農政水産部土地改良課課長補佐)
 「香川大学の新しい技術」末永慶寛(香川大学工学部教授)
 「オイスカの水協力」萬代保男(オイスカ四国研修センター所長)

チラシ(PDF:641KB)
 http://www.kagawa-u.ac.jp/files/2714/2319/1380/0211_simpo.pdf
 
 

■開発途上国(BOP)アントレプレナーシップ・セミナーのご案内
 (文部科学省/EDGEプログラム,九州大学2014年度事業)
 http://qrec.kyushu-u.ac.jp/events/201502_1/
 (九州大学 2015年2月18日)

 世界には,水、医療、農工具等、最低限の生活必需品にアクセスできず貧困に
苦しむ人が大勢存在しますが、このような国・地域(Base of Pyramid : 通称BO
P)でのニーズは、先進国で使われる製品やサービスと異なっています。すなわち
BOPでは、先進国の技術をそのまま適用するのでなく、BOPのニーズをよく把握し
て製品開発やサービス実現に生かすことが重要です。
九州大学/ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター(QREC)では、文
部科学省EDGEプログラムの支援を受け、2015年度より九州大学の学生に対し、バ
ングラデシュをケーススタディの地として、BOP国における求められるべき製品や
サービスの創造、ビジネス化へのチャレンジを経験させる教育事業を始めます。
グローバル市場でのイノベーション創造にチャレンジする人材を、日本から生み
出すための試みです。
 今回のワークショップは、この教育事業を開始するにあたり、BOP国において先
進的な活動を展開している方々にお話しを頂き、このような教育事業の進め方や
目指す方向等について、様々な角度から考えるヒントを頂く機会とするつもりで
す。ご参加頂く皆さんとともに、積極的な意見交換をしたいと思いますので,多
くの方々のご参加をお待ちいたします。
 九州大学 ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター
 センター長 谷川 徹

日 時: 2015年2月18日 13:30~17:30

場 所: 九州大学箱崎理系地区21世紀交流プラザ Ⅰ-2F
↓ キャンパスマップ理系地区 40番をご参照ください。
http://www.kyushu-u.ac.jp/access/map/hakozaki/hakozaki.html

テーマ:「グローバル・アントレプレナーをどう育成するか」
~開発途上国を舞台とした九州大学の挑戦~

スケジュール:

時 間 内容・演題・講演者
 13:30-13:45 開会挨拶と趣旨説明 QREC長 谷川徹
 13:45-14:05 講演 Ⅰ
  Dr. Rafiqul Islam Maruf (Grameen Communications /Consultant)
  「世界の若者にソーシャルビジネス体験を! IROP事業とは(仮題)」
 14:05-14:35 講演 Ⅱ
  Prof. Nazmul Hossain (University of Dhaka/ Assistant Professor)
  「バングラデシュのアントレプレナーシップ教育(仮題)」
 14:35-15:05 講演 Ⅲ
  Mr. Munir Hasan(Bangladesh Open Source Network/ General Secretary)
  「バングラデシュのアントレプレナー育成について(仮題)」
 15:05-15:25 講演 Ⅳ
  梅澤 陽明(ウメザワ ヒロアキ)氏(See-D実行委員会/ファブラボ渋谷代
表)
  「途上国の課題を解決するために ~See-Dの取り組みから~(仮題)」

 ~ 休 憩 ~

 15:55-17:25 パネルディスカッション
 <テーマ>
 「世界のイノベーション推進のために、グローバル・アントレプレナーを如何
に育成するか ~途上国における取り組みを中心に~」
 <パネリスト>
 ●梅澤 陽明氏(See-D*実行委員会/ファブラボ渋谷代表)
  ~途上国で適正技術を考え提案する試みから~
 ●Dr. Ashir Ahmed(九州大学大学院システム情報科学研究院准教授)
  ~ソーシャルビジネスと大学技術の活用事例から~
 ●天花寺 宏美氏(コペルニク**日本支部代表)
  ~途上国の生活向上と自立を進めるグローバルな取り組み~
 ●永石 雅史氏(九州大学国際交流推進室特任教授/JICAより出向)
  ~途上国支援における政府の役割~

 17:25-17:30 閉会挨拶 QREC長 谷川徹

 使用言語:日本語 (逐次通訳)
 参加費:無料
 定 員:60人
 主 催:九州大学 ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター(
QREC)

■第1回日バングラデシュ外務次官級協議の実施(結果)
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_001750.html
 (外務省 2015年2月5日)

 1 本5日,バングラデシュのダッカにおいて,杉山晋輔外務審議官は,シャヒ
ドゥル・ホック・バングラデシュ外務次官(Mr.Md.Shahidul Haque, Foreign Se
cretary)との間で第1回日バングラデシュ外務次官級協議を行いました。
 2 本協議は,昨年9月の日バングラデシュ首脳会談において本年早期の開催が
決定され,時をおかずに今回開催されたものです。本協議において,杉山外務審
議官とホック外務次官は,友好的な雰囲気の中で,建設的かつ掘り下げた意見交
換を行いました。本協議は,昨年の両国首相による相互訪問を契機に構築された
両国の友好関係を反映し,心のこもった冒頭発言と共に始まりました。
 3  本協議においては,二国間関係,地域協力,多国間協力及び国際情勢の様
々な側面について議論がなされました。両者は,「包括的パートナーシップ」の
下での両国の緊密かつ協力的な関係の重要性について確認し,昨年5月に安倍総理
大臣が表明した最大6,000億円規模の経済協力を有効に活用することの重要性と
これに関する案件の適切かつ円滑な実施を強調しました。また両者は,ベンガル
湾産業成長地帯構想(BIG-B)の下で進められる経済協力の一層の促進について
確認しました(注)。
 4 また,外務次官級協議の後,杉山外務審議官は,ハシナ首相,アリ外務大臣
,リズヴィ国際問題担当首相顧問を表敬し,日バングラデシュ関係の更なる発展
に向けた話し合いを行いました。

(注)両国首相の相互訪問を一つの契機として,バングラデシュに進出している
日本企業数はその後の6ヶ月間で,183社から223に増加し,史上初めて,200社を
突破しました。

■日系製造業最大の縫製工場で生産性向上を図る
 ~TMテキスタイルズ&ガーメンツの取り組み~
 https://www.jetro.go.jp/world/asia/bd/biznews/54d0549c441d8
 (JETRO 2015年2月4日)

 マツオカコーポレーション、東レ、上海鶴山針織服装は、2009年に合弁でTMテ
キスタイルズ&ガーメンツを設立し、バングラデシュに進出した。現在約5万平方
メートルの土地に工場を構えて3,400人を雇用し、機能性ウエア向け生地の製造か
ら縫製までを一貫生産している。工場の規模は、進出日系企業で最大となる。投
資先としてのバングラデシュの魅力と課題である生産性向上の取り組みについて、
同社社長の進東正弘氏に聞いた(1月20日)。

■日本レストランが首都に開店、主力メニューはハンバーグ
 ~進出の狙いを代表取締役に聞く~
 https://www.jetro.go.jp/world/asia/bd/biznews/54b485e6343f0
 (JETRO 2015年1月14日)

 バングラデシュではまだ珍しい日本レストランが2014年12月、首都ダッカにオ
ープンした。運営するレオグローバルは、バングラデシュでハンバーグとステー
キを主力メニューとした外食事業に取り組む。同社代表取締役の水谷幸喜氏に進
出の狙いや経緯などを聞いた(2014年12月24日)。

■オフショア開発のBJIT、バングラデシュを拠点にIT事業を拡大
 https://www.jetro.go.jp/world/asia/bd/biznews/54b5d074c1d90
 (JETRO 2015年1月15日)

 BJITは2001年にバングラデシュで設立されたオフショア開発分野の日系企業だ。
日本人エンジニアが「ブリッジエンジニア」として、日本の顧客とバングラデシュ
のオフショア開発拠点の仲介に入ることで、日本品質かつ低コストのサービスを
展開している。さらに、欧州やシンガポールにも拠点を設立するなど事業拡大を
進めている。BJIT社長で創立者の1人であるジュエム・シュウカット・アクバル氏
に、IT事業の概要や今後の展望を聞いた(2014年10月21日)。

■輸出加工区に初の玩具工場を稼働~チャイナプラスワンでハシモトが進出~
 http://www.jetro.go.jp/biznews/54d2d7bee3c88
 (JETRO 2015年2月6日)

 玩具・ホビー商品のハシモト(本社:東京都墨田区)は、2012年2月にバングラ
デシュの輸出加工区(EPZ)初の玩具工場を設立した。ダッカ南部のコミラEPZに
入居し、従業員約200人を雇用、2014年9月から工場の操業を開始している。チャ
イナプラスワンとして進出したバングラデシュのメリットと課題について、同社
代表取締役の橋本貴裕氏に聞いた(1月26日)。

■バングラデシュで「ルックイースト・シンポジウム」開催.2014年12月
 http://www.jetro.go.jp/jetro/topics/1412_topics3.html
 (JETRO 2014年12月)

2014年12月1日、ジェトロはバングラデシュのダッカ国際会議場において、「ルッ
クイースト~アジアの経済統合とバングラデシュの将来」と題するシンポジウム
を開催しました。バングラデシュの国会議員・官僚、ビジネス関係者、研究者、
学生、外交団など約400名の参加があった本シンポでは、アーメド商務大臣、カマ
ル国家計画大臣、ラーマン首相経済顧問を始めとするバングラデシュの閣僚、地
元のシンクタンク、大学、政府、業界団体などから有識者が登壇し、成長著しい
東アジア経済への有機的連結、それに伴う通商・産業政策の方向性、国内に残さ
れた課題などについて、約4時間に亘って議論しました。

サプライチェーンへの参加が飛躍のカギ
基調講演に立った、ERIA(東アジア・アセアン経済研究センター)のチーフエコ
ノミストで慶応大学教授の木村福成氏は、「The Look East Policy: Coming int
o Production Networks」と題し、バングラデシュに対し、東南アジア諸国と比較
しつつ、国際的な生産ネットワーク構築を軸とした新たな発展戦略を提案しまし
た。リチャード・ボールドウィンの生産ネットワーク論・アンバンドリング論を
紹介した木村教授は、製造と消費が国境を越えて分離したのが第1アンバンドリン
グ(単純な貿易)、生産工程の各プロセスが国境を越えて分離したのが第2アンバ
ンドリング(サプライチェーン・ネットワークの形成、国際的な労働分業の成立)
とした上で、第2アンバンドンリングの典型例の1つが、1980年代以降の東南アジ
アにおける日系サプライヤーを中心としたサプライチェーン・ネットワークの形
成であると説明しました。また「産業集積のないバングラデシュのような途上国
は、サプライチェーンの一部(プロダクション・ブロック)だけでも国内に誘致
し、ネットワークに参画することで地場の中小企業にもスコープが広がり、経済
は飛躍できる。国によって開発段階に差があることで、むしろ後発国にとって有
利になる」として、産業誘致によるメリットを得るためには、産業インフラ整備
の必要性、コネクティビティ向上によるサービス・コストの低減、TPPやRCEPとい
った経済ブロックへの将来的な参加が望ましい、と解説しました。

バングラデシュ有識者の視点
基調講演に立った、ERIA(東アジア・アセアン経済研究センター)のチーフエコ
ノミストで慶応大学教授の木村福成氏は、「The Look East Policy: Coming int
o Production Networks」と題し、バングラデシュに対し、東南アジア諸国と比較
しつつ、国際的な生産ネットワーク構築を軸とした新たな発展戦略を提案しまし
た。リチャード・ボールドウィンの生産ネットワーク論・アンバンドリング論を
紹介した木村教授は、製造と消費が国境を越えて分離したのが第1アンバンドリン
グ(単純な貿易)、生産工程の各プロセスが国境を越えて分離したのが第2アンバ
ンドリング(サプライチェーン・ネットワークの形成、国際的な労働分業の成立)
とした上で、第2アンバンドンリングの典型例の1つが、1980年代以降の東南アジ
アにおける日系サプライヤーを中心としたサプライチェーン・ネットワークの形
成であると説明しました。また「産業集積のないバングラデシュのような途上国
は、サプライチェーンの一部(プロダクション・ブロック)だけでも国内に誘致
し、ネットワークに参画することで地場の中小企業にもスコープが広がり、経済
は飛躍できる。国によって開発段階に差があることで、むしろ後発国にとって有
利になる」として、産業誘致によるメリットを得るためには、産業インフラ整備
の必要性、コネクティビティ向上によるサービス・コストの低減、TPPやRCEPとい
った経済ブロックへの将来的な参加が望ましい、と解説しました。

バングラデシュ有識者の視点
続くパネル・ディスカッションでは、ルックイースト政策に関する考え方や、木
村教授が紹介した東アジアの経済統合について、産官学のバングラシュ有識者ら
による活発な議論が行われました。

木村氏の理論は面白いが、バングラデシュが直面する課題と政府が取り組む政策
の現状を理解することが議論の出発点になるべき。まずはこれらの課題と向き合
い、解決する必要がある。(ラーマン首相経済顧問)
ルックイースト政策については、インド・中国・米国・日本との間でバランスを
とるなど、外交政策上の考慮も必要。外交的に最も友好的な日本との関連では、
RCEPやルックイースト政策を外交アジェンダに入れても良いと考える。(アラム
計画委員)
木村氏の理論は面白い。バングラデシュにどのようにあてはめられるか、研究と
対話を積み重ねていくことが重要。過去にもルックイースト政策に関する議論は
あったが、なぜ、今それが必要なのか考える必要がある。(サッタールPRI所長)

経済的に東アジア諸国の後塵を拝するバングラデシュがキャッチアップするには、
確固としたルックイースト政策やRCEPへの参加が重要となる。バングラデシュで
今注目されている高等教育は、海外とのコネクティビティを作る人材輩出という
面では機能するだろうが、世界的なサプライチェーンに結合しようと考えたら、
まず基礎教育を充実させなければならない。郷里送金の送り手である海外労働者
は国の経済にとって欠かせない存在になっているが、木村氏が話した生産ネット
ワークに入るためには、国内で働くための人材教育が重視されるべきである。(
ホックHaqsBay社長)
ただ単に東との統合度を深めよとの議論はあまり意味をなさない。他地域の経済
とダイレクトにつながることは、バングラデシュ経済に不安定性と脆弱性をもた
らす可能性がある。主要輸出先である欧米との統合(輸入)をさらに深め、結果
的に日本からの輸入を減らす、という方向もあり得る。(タスリム・ダッカ大教
授)
木村氏の理論を政策に反映するには、非常にシリアスな政策変更を余儀なくされ
る。バングラデシュは輸出振興と輸入代替を柱とする政策を採用し、うまくやっ
てきた。課題はインフラ(エネルギー、土地)とガバナンスの不足(汚職含む)
であるが、これはネットワーク論や輸出入先がどこであるかという議論とは関係
がなく、どの地域とつながるかとは無関係に、インフラとガバナンスの改善によ
ってバングラデシュ経済は成長できる。(ラーマンBrac IGD所長)

シンポジウム 概要
日時2014年12月1日15:30~19:30(4時間)場所バングラデシュ国際会議場(BI
CC)共催ジェトロ、ERIA、バングラデシュ開発経済研究所(BIDS)、PRI(民間シ
ンクタンク)、バングラデシュ商工会議所連合(FBCCI)プログラム

冒頭挨拶
登壇者(次第順)
・河野敬(ジェトロ・ダッカ事務所長)
・カジ アクラム ウディン アーメド氏(FBCCI会頭)
・佐渡島志郎閣下(駐バングラデシュ日本国大使)
・ムスタファ カマル閣下(国家計画相)
・トファイル アーメド閣下(商務相)
基調講演
 テーマ:The Look East Policy: Coming into Production Networks
 講師:木村福成氏(ERIAチーフエコノミスト、慶応大学教授)

特別演説
 モシウル ラーマン閣下(首相経済顧問)
パネルディスカッション
 テーマ:東アジアとバングラデシュ―展望、障壁、共生―
 モデレーター:ザイディ サッタール氏(民間シンクタンク代表)
パネリスト:
・モシウル ラーマン閣下(首相経済顧問)
・木村福成氏(ERIAチーフエコノミスト)
・シャムシュル アラム氏(国家計画委員会メンバー)
・M A タスリム氏(ダッカ大学経済学部長)
・スルタン ファヒズ ラーマン氏(ブラック大学理事)
・アブドゥル ホック氏(FBCCI理事)

クロージングセッション
・総括:モハメド ユヌス氏(BIDS上級研究員)
・謝辞:河野敬(ジェトロ・ダッカ所長)

■受験と私:ユーグレナの出雲充社長 「好きな分野、学ぶ意欲の源泉に」
 http://mainichi.jp/edu/news/20150106mog00m040013000c.html
 (毎日新聞 2015年02月09日)

 ミドリムシの屋外大量培養に世界で初めて成功し、新たな健康食品を生み出し
たバイオベンチャー企業「ユーグレナ」社長の出雲充さん(35)。開発途上国
の食糧問題を解決するため国連職員になりたいと東京大に入りました。当初は文
3に進みましたが、在学中にバングラデシュで、農村部の貧困層に無担保で融資
を行う「グラミン銀行」のインターンシップを経験。栄養失調に苦しむ人々を目
の当たりにしたことが、農学部への転部を決意させました。受験勉強の原動力と
なったのは、高校時代に見た途上国の貧困に焦点を当てたドキュメンタリーから
受けた衝撃でした。
     ◇
 高校2年の頃、NHKのドキュメンタリー「映像の世紀」を見て民族紛争や途
上国の食糧問題を取り上げた回に非常に衝撃を受けました。東京郊外の多摩ニュ
ータウンに会社勤めの父と専業主婦の母、弟という、公民の教科書に出てきそう
な一般的な家庭で育った私には、民族紛争や、世界に栄養失調の人が10億人い
るという現実がうまくイメージできませんでした。
 これがきっかけとなり、栄養失調に苦しむ人たちをなくすため、自分も一翼を
担いたいと思うようになりました。国連に就職すれば、そういう人たちの役に立
てるのではないかと思ったのです。調べてみると、東大の文3に合格し、アメリ
カ文学や国際関係論を学んだ職員がいました。それで東大を目指して勉強するの
がいいんじゃないかと。当時の志望理由はその程度でした。とはいえ、私の成績
と合格ラインにはかなりの開きがありました。東大模試を大手3予備校が実施し
ていましたが、高3の夏の模試は3社ともC判定でした。
 東大の入試はそんなに難しいことは聞きません。基礎的な参考書をしっかり理
解していることが大事です。東大に合格した人にどんな参考書を使っていたかを
まず聞き、その中からやることを徹底的に絞って、最大公約数(共通する部分)
のことだけをやりました。例えば、英単語はZ会の「速読速聴・英単語」、英文
法は駿台の「英文法頻出問題演習」(英頻)。英文法は駿台と桐原(書店)がい
いとか。東大は古文が重要ですが、「土屋の古文」(土屋博映著)と「マドンナ
古文」(荻野文子著)が半々ぐらい。私は土屋派でしたけど。
 暗記科目は、3色蛍光ペンでカラフルにチェックしながら覚えていました。「
大丈夫そう」は黄色▽「重要そう」は緑▽「3回連続で間違えた」「なかなか覚
えられない」はピンク。そこで、どうピンクを減らすか、なぜ緑が多いのか考え
てみる。カラフルにして、どんな分野でも自分なりに楽しくやっていくことは大
事だと思います。私の場合、空間として覚えていて、教科書の何ページ目の○段
目に出てきた「フビライ・ハン」にピンクの蛍光ペンを引いていたなという具合
です。色でも順番でも、こたつでミカンを食べながらでも何でもいいのです。記
憶のフックになるものを作り、設問と何かを関連づけるのは、脳の仕組みからい
っても効果的な方法です。
 受験生の中には、数学や物理に苦手意識を持つ人がいると思います。そういう
人は、「問題が解けた」という快感が足りないのではないかなと思います。高校
の数学、物理は一般的に思われているより暗記科目だと思います。チャート式問
題集で見ると、数学の解法は200通りもありません。全部覚えてしまえば高校
の受験数学は満点が取れるわけです。
 高校3年の5月から半年ぐらいかけて宇治十帖を含めて源氏物語を原文で読破
しました。読み終わった頃には、枕草子でも何でも大体読めるようになりました。
それでますます古文に興味が湧いてきました。しかも、その年の東大の本試験に
源氏物語が出題されました。私はそれで受かったようなものです。本当にラッキ
ーですね。
 「いい点を取れ」と言われて勉強を続けられる人はあまりいないと思います。
一番大事なのは、好きな分野やテーマを大切にすることです。あまり受験と関わ
りがなかったとしても、好きなことは大学に入った後も学びたいという源泉にな
るので、そういう人は勉強が苦になりません
 自分の頭で考える力というのは、とても重要です。よく、受験でやったことな
んて社会に出てほとんど役に立たないという人がいますが、私は受験勉強をやっ
て非常に良かったなと思います。今日はここが解けた、今日はここが分かった??。
そういう楽しさが受験勉強で一回でも、一瞬でもあれば、その後、新しいことを
学ぶということが好きな人になります。「全部苦しかった」、丸暗記させられた
次の日に「全部忘れちゃった」だと、あまりにも寂しい。誰にだって得意科目は
あるはずで、そう気づく気持ちを養うためにも受験勉強はとてもいいトレーニン
グだと私は思います。【聞き手・垂水友里香】

 ◇いずも・みつる 1980年、広島県呉市生まれ。ユーグレナ社長。東京大
農学部卒。2002年、東京三菱(現・三菱東京UFJ)銀行入行。05年株式
会社ユーグレナ設立。同年に、ミドリムシの屋外大量培養を世界で初めて成功さ
せた。

■大きく育て、リトルドクター 青年海外協力隊 関谷真衣さん
 http://www.jica.go.jp/bangladesh/office/others/human/19.html
 (JICA 2015年2月5日)

初めての身体測定
バングラデシュ北部ロングプール県にある「ディープアイケア・ファウンデーショ
ン(DECF)」の研修室。集まった50人ほどの子供たちが、前に立ったJICA青年海
外協力隊員の関谷真衣さんをじっと見つめている。

「身長を測るときには、どんな測り方が正しいですか。次の4つ写真から答えを選
んでね」

スクリーンに音楽とともに身長測定の様子の写真4枚が映し出される。関谷さんの
軽快な司会と、まるでテレビのクイズ番組のような仕掛けに子供たちは大喜び。
次々に出される質問に元気よく手を挙げて答えていた。

身長を測る、体重を測る、視力を検査する。日本では、当たり前のように学校で
実施される健康診断。成長の度合いを知り、異常を早期に察知する重要なデータ
だが、バングラデシュの子供たちにはこの仕組みがない。

バングラデシュでも身体測定を広めようと、政府は8月23日から28日、全国の小学
校でキャンペーンを実施した。関谷さんたちはこのキャンペーンの一環として、
子供たちに身体測定の方法を教える研修を開いた。といっても、身長計や体重計
など機器がそろっているわけではない。視力検査は、会場を提供してくれたDECF
の協力で機器や専門家の指導を得られたが、身長計は、壁にメジャーを張り付け
ただけ、体重計は家庭用のもの。それでも子供たちは、慣れない手つきで楽し気
にお互いの身長や体重を測りあっていた。

栄養不良、深刻な問題
この日、2回にわたる研修は、私立病院Deep Eye Care Foundation(DECF)、県・
郡保健オフィス、県・郡教育オフィスが共同で実施した。招かれたのは合計18校
の代表約90人。彼らは、各校で「リトルドクター」に任命された子供たちだ。

バングラデシュ政府は、学校保健の充実と普及のために、リトルドクターと呼ば
れる制度を全国で採り入れている。各校で15名の子供たちを任命し、保健や衛生
に関する知識を伝える。日本でいえば「保健委員」のようなものだ。リトルドク
ターたちは、この日学んだ身体測定を今度は自分たちの学校で友達に教える役割
を担う。関谷さんの仕事は、まだ実施度が低いリトルドクター制度を普及するこ
とだ。

関谷さんによると、リトルドクター制度が始まる前、バングラデシュの学校保健
は多くの場所で、地域の保健ワーカーに委ねられていた。各校の先生たちの保健
教育に関する意識は低く、保健ワーカーも年に1度、学校を訪問する程度だったと
いう。リトルドクター制度は、子供から子供へと伝えることで、健康の大切さや
自己管理の方法を子供たち自身に理解させることが目的だ。毎日通う学校という
場を活用することで、子供を通じて家庭にお知らせを出したり、新しい知識や情
報を素早く伝えたりすることもできる。

世界保健機関(WHO)による2011年のサンプル調査では、バングラデシュの5歳以
下の子供のうち、約41%が低身長(年齢に対して身長が低い)、約37%が低体重
(年齢に対して体重が軽い)だった。この10年余りで、低身長や低体重の子供の
割合は徐々に下がってはいるものの、いまだ目標とする20%台には至らず、子供
の栄養不足は深刻な問題となっている。また、栄養不足を原因とする成長不良は
バングラデシュでは、貧困層だけの問題ではない。世界銀行によると、バングラ
デシュの貧困層の子供の約54%が低身長だったのに対し、富裕層の子供でも約26
%の子供が低身長だったという調査がある。いずれも学齢期前の子供の調査だが、
だからこそ、だれもが通う学校での保健教育や栄養教育の重要性が高まる。

「この中の一人でも」

今回の研修を中心になって運営した関谷さんは、村落開発普及員として2012年9月
にバングラデシュに赴任した。その前は3年間、日本のテレビ制作会社のアシスタ
ントディレクターだった。充実してはいたが、不規則で長時間にわたる仕事に疲
れきったある日、地下鉄に貼ってあった青年海外協力隊員募集のポスターがふと
目に留まった。

「世界も、自分も、変えるシゴト。」

もともと国際協力に興味があったが、現実の職場はかけ離れていた。3年勤務した
ら次のステップを検討しようとも考えていた。そのタイミングで出会ったキャッ
チフレーズが、心に刺さった。そして飛び込んだ国際協力の世界。持ち前の行動
力、番組制作で鍛えた企画力を発揮し、リトルドクターの研修もてきぱきと仕切
った。

ユニークだったのは、同じ地域の青年海外協力隊員がこの研修を、力を合わせて
運営したことだ。40人余りのリトルドクターたちを、効率良く身体測定するため
にいくつかのグループに分けて身長、体重、視力それぞれの検査会場へ連れてい
く。そして、測り方も、数値の読み上げも慣れていない子供たちを、協力隊員た
ちが手取り足取り丁寧に教えた。関谷さん一人ではできない。今回の身体測定研
修は、同じ地域の協力隊員たちが、専門を越えて協力しあう、という新しいモデ
ルにもなっただろう。

関谷さんは、子供たちに接しながら痛感したことがある。「一人ひとりの意識を
高めるためには、子供自身に誇りを持ってもらうことが大事だと思いました」。
今回の研修では、リトルドクターに選ばれたことを「特別だ」と思えるよう、各
学校にバスを手配して子供たちを迎えにいった。研修の最後には、ふだんは食べ
ないような高級菓子とジュースを配って労をねぎらった。ちょっとした演出が、
子供たちの意識を高め、責任感を育てる。

「たとえばこの中の一人でも本当にドクターになったら、1000人に影響を与える
ことができるんじゃないか」と、関谷さんは言う。

ボランティアの仕事は、援助の最先端で一人ひとりと向き合うことだ。変化が数
量化されるわけでもなく、成果があっても小さな一歩にしかみえないこともある。
それでも、ボランティアならではの手ごたえというものが、ある。この日、関谷
さんの話を聞く子供たちの目は確かに輝いていて、大きな可能性を感じさせた。

一人を変えるのは、世界を変えるのと同じぐらい大きなシゴトかもしれない。

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