■見出し(2013年06月11日) No2013-33
〇【マザーハウス・バングラデシュ工場を訪ねる旅 HIS】
〇世界の車窓から バングラデシュ編 撮影日記
〇バングラの歌舞・工芸 香川、瀬戸内芸術祭の夏会期
〇小売業者、危険工場めぐりジレンマ .
〇バングラデシュ縫製工場の安全協定、ユニクロは署名保留
〇崩壊ビルから奇跡的に救出された女性が退院、バングラデシュ
〇倒壊ビル生還少女「縫製工場もう働きたくない」
〇バングラデシュのマイクロ金融に技術を提供=ジェムアルト〔BW〕
〇安全向上阻む人材不足 縫製工場ビル崩壊 バングラデシュの障害浮き彫り
〇「日本企業はあちこちで大歓迎を受ける」 バングラデシュに根付く伊藤忠商事の活動
〇バングラデシュ短信 : 2013-№8 (4月下旬~5月上旬)
〇バングラデシュ短信 : 2013-№9 (5月上旬~5月下旬)
〇駐日バングラデシュ大使の奈良県庁ご来訪
■【マザーハウス・バングラデシュ工場を訪ねる旅 HIS】
毎年人気の「マザーハウス・バングラデシュツアー」今年度も実施致します!
「途上国から世界に通用するブランドを作る」という信念のもと、バッグメーカー
マザーハウスを立ち上げた山口絵理子氏。著書や起業家としても有名な山口氏の原点で
あり、大切な工場・工員のいるバングラデシュを訪ねます。
フレンドリーな工員たちとの触れ合い、学校施設での子ども達との触れ合い、そして想
いを持って集まった参加者同士の出会い。
本当にバングラデシュの人の良さが、ツアーにそのまま表れる素敵な雰囲気があります。
帰国後も現地で制作したエコバッグのお披露目会など、旅で終わらない、旅から始まる
ストーリーがあります。ぜひあなたの可能性も見つけてみませんか。
さらに、昨年より「ものづくりから、ものごころづくりへ」というテーマのもと、親子
参加型の新しいスタディツアーを始めました。
幼いうちから海外に行き、異文化に触れ、体験することは、国際社会において
大切なグローバル感覚を養うと同時に、原体験としてその後の人生に大きな影響を与え
ることでしょう。また、子どもたち同士の交流は、私たち大人が気がつかない大切なこ
とも教えてくれます。
【9/13、11/15、3/21出発】マザーハウスの工場でエコバッグをデザイン!途上国の可能
性を見つける旅 バングラデシュ6日間
http://www.his-j.com/kanto/corp/group/event/mother/index.html
【8/21 出発】ものづくりから「ものごころづくり」へ。人気のマザーハウスバングラデ
シュツアーの親子旅第2弾!現地の工場で工員と一緒にオリジナルのペンケース作り!
■世界の車窓から バングラデシュ編 撮影日記
http://www.tv-asahi.co.jp/train/journal/index.html
(テレビ朝日 2013年06月03日)
旅のはじまり
この番組が、バングラデシュを取材するのは、今回で2回目となる。前回は1990年。実は、
その時担当したのもこの私。23年ぶりに再び訪れることになった。首都ダッカの空港に
降り立った時から、当時との相違は歴然。23年前、空港に駐機する飛行機はごく僅か。
確かバングラデシュ国営航空の2機だけだったと記憶する。ところが今回は、各国の飛行
機がずらり。首都の空港の体裁を整えているではないか。
ダッカ市内もすっかり変貌していた。23年前、道路を埋め尽くしていたのはリキシャ。
黙々とリキシャを漕ぐ男たちの風貌が、まるで哲学者のように感じられた。ところが、
今回は道路の主役が自動車に交代していた。洪水のように押し寄せる車、車、車。喚き
散らすクラクション。車線などおかまいなしに、十数cmの隙間があれば、我先にと割り
込んでくる。ここでカメラマンが名言を吐いた。東京には、かつて「江戸しぐさ」とい
う暗黙のマナーがあった。ダッカにも独特のしぐさ、「ダッカしぐさ」があると。スレ
スレで走るのに、接触しているところを見かけない。日本なら、イライラしてしまうと
ころだが、ダッカのドライバーは比較的冷静。まるで無法地帯に見えるダッカの道路に
も、なにがしかの「しぐさ」が感じられる。渋滞にもお国柄が滲むものだ。
アジアはいま大きく変貌している。かつて、世界の最貧国と言われたこの国も、経済は
堅実に推移。それを確かめるべく、ダッカのコムラプール駅から車上の人と成る。向か
うは、第二の都市チッタゴン。23年前、バングラデシュの列車は、ダイヤなど無いに等
しいくらい大幅に遅れていた。今回は30分ほどの遅れで発車。かなり改善された。乗り
込んだ急行列車も落ち着いた雰囲気。予想外の展開に戸惑っていると、途中の駅から人
がなだれ込んで来る。バングラデシュはこうでなくては。圧倒的な人の存在感。隣の人
の体温を肌で感じるバングラデシュならではの旅がはじまった。
ディレクター 浦野俊実
■バングラの歌舞・工芸 香川、瀬戸内芸術祭の夏会期
http://www.asahi.com/area/kagawa/articles/OSK201305310097.html
(朝日新聞 2013年05月31日)
瀬戸内国際芸術祭の実行委員会総会が31日、高松市内で開かれ、夏会期(7月20日
~9月1日)の主なプロジェクトの概要が公表された。バングラデシュのパフォーマー
や職人計100人が来日する「バングラデシュ・プロジェクト」(高松港)などが開か
れる。
「バングラデシュ・プロジェクト」は、世界で最も人口密度が高いバングラデシュの
ダンスや歌、職人のものづくりなどを、市場を模した会場で披露する。パフォーマーは
4グループが10日ずつ来日するので、異なる演目が楽しめる。
このほか、旧福田小学校の校舎を使った「福武ハウス」(小豆島)で、中韓やタイ、
シンガポールなどアジア各国のアートセンターが展覧会を開く。また、県立ミュージア
ムで大規模な丹下展を開く「丹下健三生誕100周年プロジェクト」を企画。県庁東館
など瀬戸内にある丹下作品をめぐるツアーも行う。
◆春会期の来場、県内が大幅増
総会では春会期(3月20日~4月21日)の来場者アンケート結果(5961人か
ら回答)も発表した。
来場者の内訳は男性が33%、女性が67%で、前回2010年とほぼ同じだが、香
川県内からが44%で、前回の28%から大幅に増えた。県民の関心が高かったことが
分かる。海外は、22の国・地域から来場があり、2%だった。
年代別では20代25%(前回41%)、30代22%(同27%)で、3年前と比
べて低めに。一方で、県内来場者が増えたことから、60代12%(6%)、70歳以
上5%(2%)、10代13%(3%)と急増した。平均滞在日数は1・53日だった。
北川フラム・芸術祭総合ディレクターは「春会期は地元の方々がたくさん来てくれた。
夏会期は春よりイベントが多い。県外からの若者や家族連れは、まとまった休みが取れ
る夏にどっと来そうだ」と分析していた。(柳谷政人)
□バングラデシュ・ファクトリー
http://setouchi-artfest.jp/artwork/a150-8
(瀬戸内国際芸術祭2013 高松港)
国民総活気量世界一といわれるバングラデシュ。首都ダッカの市場は、食物や工芸製品
の部品、ジュートや竹を材料とした道具、楽器、船の工房、唄や踊り、楽団が混在する
世界一、楽しく、豊かで、刺激的な場所だ。彼らは毎夕暮れ時、高松港に集まり、ダッ
カの市場のようなエネルギー溢れる風景が現れる。
□バングラデシュ絵画の精髄
http://setouchi-artfest.jp/artwork/a151
(瀬戸内国際芸術祭2013 高松港)
バングラデシュの画家たちによる展覧会。伝統的な絵画から現代の作品、固有の土地や
文化に根ざした作品などによるベストセレクションだ。参加アーティストも来日し、両
国間の交流を深め、私たちに多くの刺激を与えてくれるに違いない。
会場=高松市美術館 | TEL:087-823-1711
7/20(土)-9/1(日)の期間開催
会場=高松市美術館市民ギャラリー
主催=バングラデシュ・プロジェクト実行委員会 | 共催=瀬戸内国際芸術祭実行委員会、
在日バングラデシュ大使館、ベンガル・ファンデーション | 後援=在バングラデシュ日
本大使館
□ 「バングラデシュプロジェクト」シンポジウム、パフォーマンスショウ
■小売業者、危険工場めぐりジレンマ .
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323625804578512051881734438.html
(ウォール・ストリート・ジャーナル 2013年05月28日)
開発途上国で避けられるはずの工場災害が起きれば、米ウォルマート・ストアーズなど
多くの小売業者は、注文を取り消したり、安全基準を満たしていない工場を締め出すと
いうやり方で対応する。
これとは対照的に、規模200億ドル(2兆500億円)のバングラデシュ衣料業界からの最大
の購入者であるスウェーデンのH&Mは安全基準改善で工場に協力すると約束して、高い社
会的役割を演じている。
どちらのアプローチがいいのか、結論はまだ出ていない。
ウォルマートは、バングラデシュでの一連の工場火災と1100人以上の死者を出した4月
の工場倒壊事故を受けて、安全面に問題がある約250の納入業者をリストアップした。
ウォルト・ディズニーは3月、昨年12月に起きた大規模工場火災の現場でウォルマート
向けのディズニー・トレーナーが入った箱が見つかったことから、バングラデシュのラ
イセンス取得者には今後ディズニー・ブランド品を生産させないと通告した。ディズニ
ーとウォルマートは、製品生産が認められていない工場で自分たちの製品が作られてい
たことは知らなかった、としている。
とどまって問題解決に協力するアプローチの支持者は、これによって安全基準の引き
上げで小売業者がよりアクティブな役割を果たすことができ、合格工場の比率を高めら
れるとみている。スウェーデン企業の途上国での活動を監視している独立組織スウェド
ウォッチ(Swedwatch)の代表Viveka Risberg氏は「簡単なのは撤退することだ」と述
べた。
しかし、こうしたアプローチの支持者でも、限界があることを認めている。小売業者
は工場で起きていることの全てを把握したり、納入業者を完璧に監視したりすることは
できない。H&Mはカンボジアなど別の場所で引き続き問題に直面している。同国では先週、
同社の製品を許可なく生産していた工場の休憩エリアが崩壊して、20人以上がけがをし
た。
他の批判者らは、H&Mの親会社ヘネス・アンド・マウリッツはバングラデシュから必要
としている製品の量が膨大なため、同社としてはリスクを冒して同国に投資する以外に
選択肢はなかったと見ている。H&Mは5月に入って、先の工場倒壊事故を受けて安全基準
が強化された業界協定の最新版に調印した最初の大手企業だった。
バングラデシュ独立衣料品労働者連盟の共同書記ラシャドゥル・アラム氏は、H&Mは「
他の企業よりもいいが、効果的であろうとするなら、もっとすべきことがある」と話し
た。同氏は、政府は裕福で政治的つながりのある工場所有者との対決に消極的であるた
め、業界に変化をもたらす唯一の効果的手段は工場所有者にもっと圧力をかけることだ、
としている。
H&Mのアプローチにとっての重要な試験は、同社にセーターを納入しているガリブ・ア
ンド・ガリブ社が所有するダッカ近くの工場で行われている。この工場では2010年に火
災が起きて21人が死亡した。H&Mは、5階建ての同工場が10年以上前に操業を開始した直
後から最大の顧客となっているが、H&Mの同工場でのそれまでの職場事故防止の努力は失
敗した。
09年秋、H&Mの監査官は工場に立ち寄り、消火器に覆いが掛けられているのを見つけた。
これは安全基準違反で、同社はその場で問題を解決したとしている。ただ、工場所有者
のナズムル・ハク・ブイヤン氏は、消火器に覆いは掛けられていなかったとしている。
しかし、こうした安全管理も10年2月の火災発生を防ぐことはできなかった。1階でショ
ートが起きて火災が発生し、工場は炎に包まれた。H&Mは、1回の検査では見つけられな
い事故だったとしている。ブイヤン氏によると、20人の女性と男性の現場監督者がアク
リル糸が燃えて発生した有毒ガスを吸って死亡した。
工場は6カ月間閉鎖された。同氏は、改修と配線の全面変更のために90万ドルを借り入
れ、現在でも火災関連で200万ドルの債務を抱えている。同氏によると、H&Mは火災の犠
牲者への補償金に拠出した。同社はこれを確認したが、同氏がどの程度改修に支払った
のかについてはコメントを控えた。
同氏は、一部の小売業者は火災のあと同工場を離れたり、製品の受け取りを拒否した
りしたと述べたが、具体的な社名は明らかにしなかった。ただ、H&Mはガリブから離れる
ことはなく、以前と同様に発注する一方で工場管理を強化した。同社向けの仕事はガリ
ブ全体の70%を占める。
工場再開後、H&Mは抜き打ち検査をそれまでの月1回から2回に増やし、最近では先週実
施された。ブイヤン氏は、バングラ国内の全関連工場での防火検査の一環としてガリブ
工場も改めてチェックするとのメールを最近H&Mから受け取ったと話した。
バングラデシュの他の工場も、H&Mの柔軟なアプローチで利益を得ているとしている。
国内にいくつかの工場を持ち、ウォルマートやH&M向けに生産しているDBLグループによ
ると、H&Mは一つの工場の超過勤務問題の解決のために同工場に時間的余裕を与えてDBL
と協力したが、一方でウォルマートは最終的にその工場を切り離したという。
■バングラデシュ縫製工場の安全協定、ユニクロは署名保留
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2946860/10819059
(AFP通信 2013年05月29日)
【5月29日 AFP】日本のアパレル大手ユニクロ(Uniqlo)は28日、先月のバングラデシュ
のビル崩壊事故を受けて国際労働団体が調印を求めている安全協定について、これまで
のところ署名していないと述べた。事故をめぐっては米当局もブランド各社に労働条件
の改善を呼びかけている。
米小売大手のギャップ(Gap)やウォルマート(Walmart)などは、すでにこの協定「
防災・建物安全協定(Accord on Fire and Building Safety)」への署名を拒否するこ
とを発表している。一方、欧州のブランド、H&Mやザラ(Zara)、マークス・アンド・ス
ペンサー(Marks and Spencer)などは協定に合意して、防災と建物の安全性の検査に協
力している。
ユニクロを所有するファーストリテイリング(Fast Retailing)の日本の広報担当者
は、「署名するかどうか検討中の段階。まだ結論に達していない」と語った。「真摯に
検討しており、出来ることから着手しているところだ」と広報担当者は述べ、今週から
バングラデシュのサプライヤーで防災検査や安全対策を開始したと付け加えた
■崩壊ビルから奇跡的に救出された女性が退院、バングラデシュ
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2948314/10859158
(AFP通信 2013年06月06日)
【6月6日 AFP】バングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)近郊で縫製工場などが入るビルが
崩壊し1100人以上が死亡した事故で、事故発生から17日目に救出されたレシュマ(Resh
ma)さん(18)が6日、およそ1か月ぶりに軍病院を退院した。
軍病院ではレシュマさんの退院を祝う式典が行われ、レシュマさんは集まった報道陣
に「最高の気分です。心も体も回復しました」と笑顔で語った。
■倒壊ビル生還少女「縫製工場もう働きたくない」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130606-OYT1T01366.htm?from=ylist
(読売新聞 2013年06月06日)
【ダッカ=田原徳容】バングラデシュの首都ダッカ近郊で8階建てのビルが倒壊した事
故で、発生から16日ぶりにがれきの中から救出されたレシュマ・ビグムさん(19)
が6日、退院した。
レシュマさんはダッカで開かれた記者会見で、「生きていられて幸せ。神に感謝しま
す」と語った。
軍の説明によると、レシュマさんはビルにあった縫製工場の従業員。4月24日の事
故では、がれきの隙間で動けなくなり、ビスケットと水で飢えをしのいだという。5月
10日に発見され、入院していた。事故の死者は6日現在、1131人。
「奇跡の生還」に感動したダッカの米系ホテルは6日、レシュマさんを正規雇用する
と発表。レシュマさんは「つらい経験だったが、ようやく元気になった。新しい職場を
得られてうれしい。もう縫製工場では働きたくない」と話した。
■バングラデシュのマイクロ金融に技術を提供=ジェムアルト〔BW〕
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201306/2013060400292
(時事通信 2013年06月04日)
【ビジネスワイヤ】オランダのデジタルセキュリティー技術大手ジェムアルトは、銀行
サービスの利用が困難な人々を対象としたバングラデシュの金融プロジェクトに、スマ
ートカード技術を提供すると発表した。ジェムアルトのソフトウエアを組み込んだカー
ドに、ユーザー認証のための顔写真と指紋データが保存され、口座開設、入出金、振込、
ローン返済などの取引が手軽に実行できる。同国に多数存在する字の読めない人々も、
手軽に安全にサービスを利用できる。
■安全向上阻む人材不足 縫製工場ビル崩壊 バングラデシュの障害浮き彫り
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130603/mcb1306030502003-n1.htm
(Sankei.Biz 2013年06月03日)
バングラデシュのダッカ近郊で4月、縫製工場が入居する「ラナ・プラザ」が崩壊した
事故を受けて、国際社会からは抗議の声が上がり、小売企業は労働環境の安全性向上を
約束している。しかし同国では、いまだに各工場の基礎的な調査さえ進んでいない。
◆過酷な労働現場
記者らはある日、工場の査察に奮闘しているダッカ市職員の土木技師、モハメド・ヘ
ラル・アフメド氏(42)に同行し、過酷な労働現場の実態調査を取材した。誤ったつ
づりで記載された工場リストの断片的な住所を頼りに、老朽化した公用車で現場を回る。
工場の所有者らは施設内への立ち入りを拒否し、時間稼ぎをしようとする。
調査を開始すると、障害物で非常口が開かない、重い貯水槽が載せられて屋根がたわ
んでいる、もともとアパートだった建物を無理やり連結しているといった問題点が明ら
かになる。労働者らが壁にひびが入っていると話そうとすると、警備員がそれを制した。
調査予定の7カ所のうち4カ所を回ったところで日が暮れた。アフメド氏は額から汗
をしたたらせながら「まったく信じがたい。今すぐ実施すべきことが山ほどある。現実
的なアクションが必要だ」と述べた。
ダッカ開発局に所属する同氏と50人の職員が、現地調査の前にできることといえば、
各工場の表面的な調査データを集めることぐらいだ。このような基本的な作業でさえ、
車両、技師、予算、情報の不足によってなかなか進展せず、バングラデシュ政府の限ら
れた資源では安全性の改善を監視できないことが浮き彫りになった。
同国の縫製工場で働く約300万人の労働者の安全確保は、1127人が犠牲となっ
たラナ・プラザの悲惨な事故の後に生まれた、小売企業や労働組合の連合体による取り
組みに懸かっている。
◆90%で重大な問題点
アフメド氏らの調査は、ラナ・プラザの悲劇を繰り返さないために当局が実施する安
全性向上計画の第1弾である。同氏をはじめとするダッカ開発局の職員は、2週間で、
同市にある3500以上の工場のうち約300カ所を調査した。同局の主任技術者を務
めるエムダドゥル・イスラム氏によると、調査した工場の90%で重大な問題点が明ら
かになり、即時の改修か取り壊しが妥当であると判断された。
当局では、資金さえ確保できれば鉄骨やコンクリートの試験などを含む本格的な検査
を行い、改修計画を策定する予定である。現在は差しあたり全工場を網羅するデータベ
ースを作成中で、これを通して建設プランや認可の書類を収集し、状況を観察すること
を目指している。
ダッカにあるアジア太平洋大学のタレク・ウディン・モハメド教授(土木工学)は「
評価のための専門家が必要だ。政府には必要な人材がいない」と指摘した。
バングラデシュの工場労働者の安全に関する議論は、ダッカから遠く離れた場所、例
えばスイスのジュネーブやドイツのフランクフルトでも続けられている。
◆欧州小売企業が署名
インダストリオール・グローバル・ユニオンの主導で作成された火災・安全監視協定
には、欧州を中心とする39以上の小売企業が署名し、向こう5年間で各社が最大50
万ドル(約5024万円)を拠出することを約束。またサプライヤーが設備をアップグ
レードした場合の対価を支払うことに同意した。
UNIグローバル・ユニオンのクリスティ・ホフマン事務局長代理によると、国際労
働機関(ILO)は5月23日、小売企業も参加して行われた会議で、安全検査官およ
び安全検査チームの採用について議論した。また、火災・安全監視協定の対象となる2
000の工場のうち、特に緊急のニーズがある工場を特定した。同氏は電話インタビュ
ーで「迅速に行動したい」と述べ、6月は無理としても、数カ月以内に検査が始まると
の見通しを示した。
工場の改修・改造に関連して欧米の小売企業やバングラデシュの工場所有者が負担す
る金額は、1工場につき最大60万ドル、5年間で合計30億ドルに達する可能性があ
る。
◆小売企業の支援など調査活動にプラス
現時点で小売企業が支出を約束している金額は、火災対策と検査のそれぞれにつき2
50万ドルだ。設備アップグレードの際の費用負担については、個々の工場と小売企業
の間でさらに協議されることになっている。
同協定によると、小売企業による支援の方法には、共同出資、融資、優遇措置、直接
的な改修費用の負担などがあり、各企業はサプライヤーと取引条件を協議して、財務的
な実行可能性を確保する。また改修を促進させるために、最低2年間は対象工場への発
注を続けることが求められる。
協定の作成を取りまとめたインダストリオールのユルキ・ライナ事務局長によると、
同協定が発効すれば当局の調査活動にもプラスになる可能性がある。同氏は「われわれ
のチームはバングラデシュ政府、サプライヤー、バングラデシュ縫製品製造業・輸出業
協会(BGMEA)、労働組合と手を取り合って活動していく」と述べ、それぞれの取
り組みが重複しないように努める考えを示した。
同氏はさらに「小売企業や各ブランドはもっと金を出さなければならない。今日のT
シャツの価格は、血を流して作られたTシャツの価格である。持続可能な方法で作られ
たTシャツの価格ではない」と指摘した。
■「日本企業はあちこちで大歓迎を受ける」 バングラデシュに根付く伊藤忠商事の活動
http://diamond.jp/articles/-/36587
(ダイヤモンドオンライン 2013年05月29日)
バングラデシュと言えば「ネクスト11」といわれ、新興経済国に仲間入りする国のひと
つだ。だが、貧困と洪水のイメージが邪魔をし、多くの日本企業が“バングラビジネス
”にまだピンと来ていない。その一方で、このバングラデシュで半世紀の長きにわたっ
て商機を追い求める企業もある。伊藤忠商事の鈴木琢也ダッカ事務所長にバングラビジ
ネス最前線を聞いた。
伊藤忠商事とバングラデシュの関わりは深い。過去50年以上にわたって日本人駐在員を
送り続けて来た。しかしそこは相当厳しいビジネス環境だと言われている。
鈴木 伊藤忠商事がバングラデシュの首都ダッカに事務所を開設したのは1961年のこと、
最古参の日系企業だ。当時は事務所にいたのは5人足らずだったが、今では80人の大所帯
に成長した。近年、経済成長を遂げるバングラデシュとはいえ、世間ではこの国は「一
番厳しい国の一つ」だと言われている。
伝染病、疫病、デング熱、食中毒と毎週のように病に冒される邦人、緊急時はシンガポ
ールかタイで医者にかかるしかない。日本からの直行便はなく、日本食からも隔絶され
た世界だ。バングラデシュに駐在する日本人は、仕事以上に身を守ることで精一杯だと
いえる。生活環境の厳しさは世界有数だ。
交通渋滞、インフラの未整備、汚職、ストライキはこの国の現実だが、日本人はこれを
目の当たりにすると「ウワーッ」と引いてしまう。また、国民の教育はまだまだ途上で、
社会道徳や商業道徳の欠如も垣間見られる。デメリットを挙げればキリがない。だが、
今この国で頑張らないでどこで頑張るのだろうか。私は決して悲観はしていない。かな
りの商売がここにはあると思っているからだ。弊社はいま攻めの経営を掲げているし、
私も毎日“ねじりハチマキ”でやっている。
伊藤忠商事のバングラビジネスはジュートから始まった。今では縫製機械からプロジェ
クト案件まで広範にカバーする。バングラデシュには文字通り、多くの商機が眠ってい
る。
鈴木 今から50年ほど前、ダッカ事務所を開設した当時は、日本へのジュートの輸出を行
っていた。例えば日本の運動会で使われる綱引き綱、これは実はメード・イン・バング
ラデシュだったのだ。当時こそジュートの活用は限定的だったが、今、日本ではこのジュ
ートが大活躍している。住宅建材として今アスベストに代わって使われているのがこの
ジュートだ。また、自動車ではプラスチックのダッシュボードの周辺を埋める資材とし
て使われている。
また、縫製業が輸出の8割を占めるバングラデシュにおいて、伊藤忠の繊維部門はビジ
ネスに大きな弾みをつけている。バングラデシュにおいては、川上の原料、テキスタイ
ルとしての川中、製品としての川下と一貫して手掛けている。繊維機械の伸びも著しく、
織機、縫製ミシン、染色などの機械に大きな需要がある。
四輪車の取扱いもある。伊藤忠は長年、日本からトラック、バスを輸出している。バン
グラデシュでは、完成品の輸入に高関税が掛けられるため、半製品を輸入しバングラデ
シュで完成品にするというやり方が主流になりつつある。これ以外にも多岐に渡る機械
を納入している。また、建設ラッシュに沸くバングラデシュでは住宅建材市場が勢いよ
く成長している。弊社はここでも広範囲に渡って物資を納入している。
多くの製品を輸入に頼るバングラデシュだが、さらに近年の経済成長が、大きな商機を
生んでいる。エネルギー分野に於いても、伊藤忠はバングラデシュに非常に積極的だ。
伊藤忠ダッカ事務所の取扱高はこの4年間で約50%の伸びを見せており、さらに数年後
には倍増(4年前と比べ2倍超)を目指している。
相当に厳しいビジネス環境、簡単には参入できない市場、だからこその商機がある。日
本人ビジネスマンにはタフさが求められるが、「親日感情」という追い風が商売を手堅
いものにしている。
鈴木 バングラデシュは何しろ人口が多い。都市人口はダッカ、チッタゴン併せて3300万
人もいる。もう、それだけで商機だ。商売がこれほど山積みされているところはない。
しかも、市場規模は拡大しており商機がどんどん増えている。これがこの国に対する率
直な印象だ。私も毎日ガチンコで激しくやっている。
鈴木 伊藤忠がバングラデシュに駐在員を送るようになって50年だが、こんなに度肝を抜
かれる国はない。辞令を受けたときは「面食らった」というのが本音だ。
相当なタフさが求められるのは前述したとおりだが、「こういうところで頑張らないで
どこで頑張んねん」と自分に喝を入れている。ある意味でバングラデシュは、商社マン
らしく徹底的に仕事ができる数少ない国だといえる。あるいは、そういう国にバングラ
デシュが成長してきたともいえる。
日本はこの国の独立を真っ先に支持した先進国でもあり、援助国でもある。バングラデ
シュ人に今でもその恩情が宿っており、日本企業はあちこちで大歓迎を受ける。日本へ
の憧れ、リスペクト、思い入れ、そんな国民感情とともに商売を共有することができる
のだ。この国で“日本人だからこそ”やれるビジネスは山ほどある。
しかし、現場からは悲鳴が上がる。最も日本企業を困難に陥れているのは、バングラデ
シュ人とのコミュニケーションだ。バングラデシュ人の「日本語人材の欠如」に足元を
掬われる企業もある。
鈴木 バングラデシュ人を使いこなすのは難しい。まずは日系企業にとって、言葉が1つ
のハードルになるだろう。昨今、一部のバングラデシュの日系企業からは「こんははず
じゃなかった」という声が上がっている。
中国からここに進出した日系企業も少なくないが、中国では「中国人の日本語人材」を
当たり前のように得ることができたため、ここに来て計画が狂う企業もある。バングラ
デシュでも日本語人材の協力を得られるだろうと胸算用してしまうのだ。しかし、バン
グラデシュには「日本語人材」は少ないのが現状、日本語のメールが打てる人材ともな
ればなおさら稀少だ。日本人とのコミュニケーションは英語が基本、日本企業にとって
はこれがひとつのハードルになっている。また、「労働力の安さ」だけを動機にした進
出企業ほど、理想と現実のギャップに苦労する姿が垣間見られる。
その一方で、バングラデシュ人との向き合い方もなかなかこれが難しい。バングラデシュ
人は親日で人なつこい面もあるが、その半面、一旦こじれたら、なかなか修復が難しい
民族のようにも感じる。東西パキスタンの分裂により建国されたという歴史もあり、当
時のことが大きく影響しているのではないだろうか。
鈴木 こうした性格は労使関係にも影響する。すぐに訴訟に持ち込まれる場合も少なから
ずある。権利の主張が強く、こちらも論理的に相手を諭すことに非常に神経を使う。こ
れで揉めている日系企業は多い。
食事の手当を出してほしい、賃金を上げてほしい、通勤のためのクルマを出してほしい、
など相手の要求はさまざまだ。会議が終わるとその場が「交渉の場」になることもある。
背後にはそれを焚きつける人物もいるのだろう。一歩間違えれば収拾がつかなくなるの
で、こちらも必死だ。どこで線引きし、どう相手を納得させるか。だが、最初から突っ
ぱねるのではなく受け止めることが大切だと思っている。まずはこちらが大きな気持ち
で接することだ。
自分の出方で相手も変わる。まずは「受け止める」。実際に希望通りになるかどうかは
別だが、これを意気に感じて頑張り始める人材も出てくる。
ようやく私の考えも社内に浸透し、現地社員の中にリーダーが育ってくるようになった。
企業側と気持ちがひとつになった人材は、強いモチベーション、高い向上心で徹底的に
貢献してくれる。
私は中国の青島に駐在していたことがあるが、このバングラデシュで思うのは「バング
ラデシュ人との人間関係」に苦労することが多いということだ。だが、おもしろいこと
に、互いに心が触れ合って、ひとたびベクトルがひとつになると、ものすごい見返りと
なって帰ってくるものがある。そういう意味では中国以上に「人的ポテンシャル」があ
ると感じている。
バングラビジネス、中途半端ではやりきれない。やるなら徹底してやることだ。アジア
最貧国と言われるバングラデシュだが、その環境に文句をつけたらキリがない。ビジネ
スは自分の中にある。出せる答えは自分次第だ。
バングラデシュと言えば「ネクスト11」といわれ、新興経済国に仲間入りする国のひと
つだ。だが、貧困と洪水のイメージが邪魔をし、多くの日本企業が“バングラビジネス
”にまだピンと来ていない。その一方で、このバングラデシュで半世紀の長きにわたっ
て商機を追い求める企業もある。伊藤忠商事の鈴木琢也ダッカ事務所長にバングラビジ
ネス最前線を聞いた。
伊藤忠商事とバングラデシュの関わりは深い。過去50年以上にわたって日本人駐在員を
送り続けて来た。しかしそこは相当厳しいビジネス環境だと言われている。
鈴木 伊藤忠商事がバングラデシュの首都ダッカに事務所を開設したのは1961年のこと、
最古参の日系企業だ。当時は事務所にいたのは5人足らずだったが、今では80人の大所帯
に成長した。近年、経済成長を遂げるバングラデシュとはいえ、世間ではこの国は「一
番厳しい国の一つ」だと言われている。
伝染病、疫病、デング熱、食中毒と毎週のように病に冒される邦人、緊急時はシンガポ
ールかタイで医者にかかるしかない。日本からの直行便はなく、日本食からも隔絶され
た世界だ。バングラデシュに駐在する日本人は、仕事以上に身を守ることで精一杯だと
いえる。生活環境の厳しさは世界有数だ。
交通渋滞、インフラの未整備、汚職、ストライキはこの国の現実だが、日本人はこれを
目の当たりにすると「ウワーッ」と引いてしまう。また、国民の教育はまだまだ途上で、
社会道徳や商業道徳の欠如も垣間見られる。デメリットを挙げればキリがない。だが、
今この国で頑張らないでどこで頑張るのだろうか。私は決して悲観はしていない。かな
りの商売がここにはあると思っているからだ。弊社はいま攻めの経営を掲げているし、
私も毎日“ねじりハチマキ”でやっている。
伊藤忠商事のバングラビジネスはジュートから始まった。今では縫製機械からプロジェ
クト案件まで広範にカバーする。バングラデシュには文字通り、多くの商機が眠ってい
る。
鈴木 今から50年ほど前、ダッカ事務所を開設した当時は、日本へのジュートの輸出を行
っていた。例えば日本の運動会で使われる綱引き綱、これは実はメード・イン・バング
ラデシュだったのだ。当時こそジュートの活用は限定的だったが、今、日本ではこのジュ
ートが大活躍している。住宅建材として今アスベストに代わって使われているのがこの
ジュートだ。また、自動車ではプラスチックのダッシュボードの周辺を埋める資材とし
て使われている。
また、縫製業が輸出の8割を占めるバングラデシュにおいて、伊藤忠の繊維部門はビジ
ネスに大きな弾みをつけている。バングラデシュにおいては、川上の原料、テキスタイ
ルとしての川中、製品としての川下と一貫して手掛けている。繊維機械の伸びも著しく、
織機、縫製ミシン、染色などの機械に大きな需要がある。
四輪車の取扱いもある。伊藤忠は長年、日本からトラック、バスを輸出している。バン
グラデシュでは、完成品の輸入に高関税が掛けられるため、半製品を輸入しバングラデ
シュで完成品にするというやり方が主流になりつつある。これ以外にも多岐に渡る機械
を納入している。また、建設ラッシュに沸くバングラデシュでは住宅建材市場が勢いよ
く成長している。弊社はここでも広範囲に渡って物資を納入している。
多くの製品を輸入に頼るバングラデシュだが、さらに近年の経済成長が、大きな商機を
生んでいる。エネルギー分野に於いても、伊藤忠はバングラデシュに非常に積極的だ。
伊藤忠ダッカ事務所の取扱高はこの4年間で約50%の伸びを見せており、さらに数年後
には倍増(4年前と比べ2倍超)を目指している。
相当に厳しいビジネス環境、簡単には参入できない市場、だからこその商機がある。日
本人ビジネスマンにはタフさが求められるが、「親日感情」という追い風が商売を手堅
いものにしている。
鈴木 バングラデシュは何しろ人口が多い。都市人口はダッカ、チッタゴン併せて3300万
人もいる。もう、それだけで商機だ。商売がこれほど山積みされているところはない。
しかも、市場規模は拡大しており商機がどんどん増えている。これがこの国に対する率
直な印象だ。私も毎日ガチンコで激しくやっている。
鈴木 伊藤忠がバングラデシュに駐在員を送るようになって50年だが、こんなに度肝を抜
かれる国はない。辞令を受けたときは「面食らった」というのが本音だ。
相当なタフさが求められるのは前述したとおりだが、「こういうところで頑張らないで
どこで頑張んねん」と自分に喝を入れている。ある意味でバングラデシュは、商社マン
らしく徹底的に仕事ができる数少ない国だといえる。あるいは、そういう国にバングラ
デシュが成長してきたともいえる。
日本はこの国の独立を真っ先に支持した先進国でもあり、援助国でもある。バングラデ
シュ人に今でもその恩情が宿っており、日本企業はあちこちで大歓迎を受ける。日本へ
の憧れ、リスペクト、思い入れ、そんな国民感情とともに商売を共有することができる
のだ。この国で“日本人だからこそ”やれるビジネスは山ほどある。
しかし、現場からは悲鳴が上がる。最も日本企業を困難に陥れているのは、バングラデ
シュ人とのコミュニケーションだ。バングラデシュ人の「日本語人材の欠如」に足元を
掬われる企業もある。
鈴木 バングラデシュ人を使いこなすのは難しい。まずは日系企業にとって、言葉が1つ
のハードルになるだろう。昨今、一部のバングラデシュの日系企業からは「こんははず
じゃなかった」という声が上がっている。
中国からここに進出した日系企業も少なくないが、中国では「中国人の日本語人材」を
当たり前のように得ることができたため、ここに来て計画が狂う企業もある。バングラ
デシュでも日本語人材の協力を得られるだろうと胸算用してしまうのだ。しかし、バン
グラデシュには「日本語人材」は少ないのが現状、日本語のメールが打てる人材ともな
ればなおさら稀少だ。日本人とのコミュニケーションは英語が基本、日本企業にとって
はこれがひとつのハードルになっている。また、「労働力の安さ」だけを動機にした進
出企業ほど、理想と現実のギャップに苦労する姿が垣間見られる。
その一方で、バングラデシュ人との向き合い方もなかなかこれが難しい。バングラデシュ
人は親日で人なつこい面もあるが、その半面、一旦こじれたら、なかなか修復が難しい
民族のようにも感じる。東西パキスタンの分裂により建国されたという歴史もあり、当
時のことが大きく影響しているのではないだろうか。
鈴木 こうした性格は労使関係にも影響する。すぐに訴訟に持ち込まれる場合も少なから
ずある。権利の主張が強く、こちらも論理的に相手を諭すことに非常に神経を使う。こ
れで揉めている日系企業は多い。
食事の手当を出してほしい、賃金を上げてほしい、通勤のためのクルマを出してほしい、
など相手の要求はさまざまだ。会議が終わるとその場が「交渉の場」になることもある。
背後にはそれを焚きつける人物もいるのだろう。一歩間違えれば収拾がつかなくなるの
で、こちらも必死だ。どこで線引きし、どう相手を納得させるか。だが、最初から突っ
ぱねるのではなく受け止めることが大切だと思っている。まずはこちらが大きな気持ち
で接することだ。
自分の出方で相手も変わる。まずは「受け止める」。実際に希望通りになるかどうかは
別だが、これを意気に感じて頑張り始める人材も出てくる。
ようやく私の考えも社内に浸透し、現地社員の中にリーダーが育ってくるようになった。
企業側と気持ちがひとつになった人材は、強いモチベーション、高い向上心で徹底的に
貢献してくれる。
私は中国の青島に駐在していたことがあるが、このバングラデシュで思うのは「バング
ラデシュ人との人間関係」に苦労することが多いということだ。だが、おもしろいこと
に、互いに心が触れ合って、ひとたびベクトルがひとつになると、ものすごい見返りと
なって帰ってくるものがある。そういう意味では中国以上に「人的ポテンシャル」があ
ると感じている。
バングラビジネス、中途半端ではやりきれない。やるなら徹底してやることだ。アジア
最貧国と言われるバングラデシュだが、その環境に文句をつけたらキリがない。ビジネ
スは自分の中にある。出せる答えは自分次第だ。
■バングラデシュ短信 : 2013-№8 (4月下旬~5月上旬)
http://www.aap-net.com/docs/bg2013-no8.pdf
(アジアアパレルものづくりネットワーク 2013年5月24日)
ダッカ郊外のサバールで起きたビル倒壊事故は、1200名近くの死者を出す大惨事と
なり、バングラデシュ社会とそれを取り巻く世界に大きな衝撃を与えている。
4/26朝8時ごろ、ダッカ郊外のガジプールにあるわが社の合弁工場は、門前に集ま
った社外の労働者たちの投石により、30枚以上のガラスが割られた。そのうち一部の
社外の労働者が工場内に乱入し、わが社の操業を停止させようとしたため、わが社は社
内の労働者の安全確保のため、ただちに操業を停止し、その日を休日とした。その後、
社外の状況を考慮し、メーデーや通常の休日を含めて、6連休にすることにした。その
間に、政府のビル検査チームが来社して、詳しくビルの建築状態を調査し、合格判定を
下していった。ただし1階にある発電機を地下に移動させた方が無難であるとの指摘を
受けた。わが社は、現在、地下に発電機を地下に据え付けることの安全性の確認を行っ
ている。
数日を経て、ダッカ市内の労働者の騒動は収まり、他社の操業も平常に戻ったようであ
る。他社では、社外の労働者の工場操業妨害に対し、社内の労働者から、「私たちは働
きたい。私たちの働く場所を奪うな」という抗議の声が上がり、労働者同士でもみ合い
となったところがあるという。
5/02の工場再開後、わが社の労働者の出勤率は100%近くに上がり、品質も安定し、
生産性は過去最高を更新し続けている。これはまさにサバールのビル倒壊とその後の騒
動が、わが社で働く労働者のモチベーションを向上させた皮肉な結果であると考えてい
る。私はこの大惨事を通じて、「社内外のバングラデシュ人の貧困が原因の複雑な行動」
を見て取ることができた。今後私は、社内外のバングラデシュの人々の貧困救済のため
に、この身を投じるつもりである。
以下にサバール大惨事の現地ニュースを列挙するが、未検証・未整理であり、日時の前
後や情報の重複、錯誤があると思うので、その点はご容赦ねがいたい。同時に、取り扱
いに留意していただきたい。私は6月下旬に現地工場入りし、順次、記事の訂正やその
後の展開を報告していくつもりである。
1. サバールのビル倒壊事故関連情報
①4/26、ガジプール、サバールで荒れ狂う RMG 労働者
すべての縫製工場が二日間の閉鎖
②労働者は激しい抗議へ
③政府、他の工場ビルを全面検査 柱に「亀裂」のあるビル内の5つの縫製工場閉鎖
④政府、工場全面検査のための新審査団の計画
⑤ラジュク (都市開発局)、危険な縫製工場のリスト提出をBGMEA、BKMEA に依頼
⑥リストに載った「危険なビル」、未だに破壊無し
⑦BGMEA 衣料労働者のデータベースを設定
⑧政府工場監視強化計画
⑨奇跡の救出
⑩243 の縫製工場が不良
⑪アシュリア工業ベルト地帯の縫製工場、無期限閉鎖
⑫政府、ラナ・プラザの土地を押収;被害者の家族のためのリハビリに利用
⑬ウォルマート、安全協定に署名せず
⑭アパレル業者、GSP 保留のためロビイスト指定
⑮GSP 続行のため新たな動き
⑯欧米大手衣料品チェーン、安全協定締結へ
⑰政府、縫製工場労働者のための新賃金委員会を発足へ
⑱H&M、バングラデシュに最低賃金上げ要求
⑲香港の地場商社最大手の利豊(リー&フォン)、消火設備強化のため
1000 万US$寄付
⑳4/16、アパレル部門 : 約30%受注減少の予測
(ただしこれはビル倒壊事故以前の予測)
21.縫製産業界に危機感増す
22.縫製産業界、犠牲者救済基金立ち上げ
23.労働環境の監視強化を
2.その他の情報
①5/10、バングラ人家政婦、香港で本格受け入れへ=第1陣は75人
②5/16、サイクロン襲来
③4/18、国際通貨基金(IMF)、2013年のバングラデシュ経済は
6.0%成長と予想
④テント・寝袋などの輸出好調
■バングラデシュ短信 : 2013-№9 (5月上旬~5月下旬)
http://www.aap-net.com/docs/bg2013-no9.pdf
(アジアアパレルものづくりネットワーク 2013年06月05日)
1.サバールのビル倒壊大惨事、関連情報
①欧州バイヤー、安全対策協定を締結
②深刻な技術労働者不足に直面か?
③バングラデシュの輸出関係業者、先行き不安視
④ニュージーランド、バングラデシュ衣料輸入上昇
⑤中国バイヤー、バングラデシュに買い付け訪問
⑥ミルプールで衣料工場火災 8名死亡
2.タイ企業のバングラデシュ進出相次ぐ
3.パドマブリッジ情報
■駐日バングラデシュ大使の奈良県庁ご来訪
http://www3.pref.nara.jp/hodo/dd.aspx?itemid=44147
(奈良県 2013年06月05日)
内 容
下記のとおり、駐日バングラデシュ人民共和国大使が、奈良県庁をご訪問され、前田
努副知事と懇談されますので、お知らせします。
日 時 平成25年6月10日(月)15時~15時20分
場 所 前田副知事室(県庁5階秘書課内)
来訪者、来訪目的
来訪者
(1)マスード・ビン・モメン 駐日バングラデシュ人民共和国大使
(2)ジボン・ロンジョン・モジュムデル 駐日バングラデシュ人民共和国大使館 公使
来訪目的
表敬訪問
この件に関して詳しくはこちらへ
駐日バングラデシュ大使の奈良県庁ご来訪
http://www.pref.nara.jp/item/101560.htm#moduleid17462

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