バングラデシュのニュース(2013/11/25)

◆イベント情報◆
・展示会:豊かなインドの針仕事展 9/5~12/21 目黒
 http://www.iwatate-hiroko.com/news.html
・まなびカフェ「サラワクの先住民族と私たちの暮らし」 11/30
 http://www.jummanet.org/notice/2013/11/1130.html
・TV放送:ドキュメンタリーWAVE「あなたのTシャツはここから来ている」 11/30
 http://www.nhk.or.jp/documentary/
・GCMP×Enactus「結果にこだわる途上国支援」 12/1
 https://www.facebook.com/events/443059549137588/

■見出し(2013年11月25日) No2013-61
〇安全な水をチッタゴンに(1)-地上に地下に、奔走するニッポンの水道マンたち-
〇安全な水をチッタゴンに(2)-地上に地下に、奔走するニッポンの水道マンたち-
〇バングラデシュ、衣料部門労働者の最低賃金77%引き上げを承認
〇バングラデシュ衣料品工場の共通安全基準で合意
〇バングラの新興企業を圧迫する現実
〇土呂久の教訓バングラに ヒ素汚染深刻
〇バングラデシュ衣料労働者
〇ウォルマート、バングラ工場の検査結果開示へ―15%以上が不合格
〇バングラデシュ衣料製造組合、最低賃金77%引き上げへ
〇バングラデシュで賃上げ要求のデモ続く、約250工場が一時閉鎖
〇バングラデシュで賃上げ求めデモ、100以上の縫製工場が一時閉鎖

■安全な水をチッタゴンに(1)-地上に地下に、奔走するニッポンの水道マンたち-
 http://www.jica.go.jp/bangladesh/office/others/human/07.html
 (JICAバングラデシュ )
 
チッタゴン上下水道公社無収水削減推進プロジェクト/カルナフリ上水道整備事業

◇土に埋もれた水道メーター

バングラデシュ第二の都市、チッタゴン市内の住宅地。「JICA」のロゴが入ったジャケ
ットを着たチッタゴン上下水道公社の職員が、水道メーターの設置状況を調べるため、
一軒一軒を訪ね歩いている。ある家では鶏小屋に案内された。群がるニワトリたちをか
きわけて地面を素手で掘ると、そこには土にまみれた水道メーターが埋もれていた。

チッタゴン市は人口約270万人。国内最大の工業都市で縫製等の日本企業の進出も進んで
いるが、インフラ整備、特に水不足は深刻で、給水率は人口の約50%にとどまっている。
1960年代に創設されたという水道管は老朽化しており、日本の円借款で現在、浄水場と
送水管などの整備が進められている(カルナフリ上水道整備事業)。ハード面の整備と
同時に、公社の経営改善の重要な課題とされるのが「無収水対策」だ。

「無収水」とは、浄水場から送水されたにもかかわらず、料金が支払われない水のこと
を指す。主に配水管の老朽化などによる漏水や、盗水、水道メーターの未設置などが原
因だ。この無収水率が低いほど、水道事業が効率的に運営されていることになり、例え
ば東京都は4%前後、ロンドンは約25%、バンコクは約30%などとされる。

チッタゴンの無収水率は地区によっては40%を超える。JICAは、この無収水率を減らす
ための技術協力「チッタゴン上下水道公社無収水削減推進プロジェクト」を2009年から
2014年の計画で実施している。

「水道公社の『お客』がどこにいるのか、水道管がどこにあるのか、作業はそれを突き
止めることから始まりました」。同プロジェクトの専門家として公社に派遣されている
廣山和臣さん(62)=エヌジェーエス・コンサルタンツ=は語る。

1960年代に創設されたチッタゴンの水道網は、廣山さんによると、25年以上改修事業が
実施されていなかった。配水網がどこにどう張り巡らされているのかほとんど分からな
い。水道利用者も住所や氏名が判っても、顧客地図が整備されておらず、検針状況や徴
収状況も正確さに乏しい。無収水対策をしようにも、「出発点」がないのだ。

「しらみつぶししかない」。廣山さんは、プロジェクト対象地域の高解像度衛星画像を
導入し、利用者の家を探し当て一軒一軒訪ねることにした。対象世帯は約27,000。2人1
組で一軒一軒を訪ね、水道メーターの設置場所や作動状況を確認する。水道料金が支払
われていないなら注意を促す、あるいは接続を切る。一方で、水道メーターがあるのに
「水がほとんど来ていない」と苦情を言われることもあった。

2009年から現在までの4年余りで、対象世帯のうち約9割の調査が終わった。パイロット
地域として集中的に取り組んだクルシ地区(約170世帯)では、調査前の無収水率55%が、
調査に基づきメーターの入れ替えや漏水防止工事などをしたところ、17%にまで下がっ
た。「効果が見えたことで、職員たちに作業の意味が伝わったと思う」と、廣山さんは
言う。今後、この作業は、ノウハウを得た職員たちにより、更なる作業効率でプロジェ
クト対象地域を超えてチッタゴン市全体に広がっていく。

文字通り、地を這うような根気のいる作業。しかし、この作業を本当に生かすためには、
インフラ整備事業が不可欠だ。廣山さんは言う。「私たちの技術協力プロジェクトが『
下ごしらえ』をして、円借款の上水道整備事業による給水能力の改善を支える。車の両
輪のような関係で、どちらが欠けても水道公社の経営改善にはつながらない。地道な技
術協力と壮大な円借款プロジェクトのタイアップ、迫力を感じるおもしろい仕事です」

「チッタゴン上下水道公社無収水削減推進プロジェクト」の詳細はこちら
 http://gwweb.jica.go.jp/km/ProjectView.nsf/VIEWParentSearch/8551F73620E3965A
492575D100356DA3?OpenDocument&pv=VW02040104
「カルナフリ上水道整備事業」の詳細(プレス・リリース)はこちら
 http://www.jica.go.jp/press/2012/20130311_01.html

■安全な水をチッタゴンに(2)-地上に地下に、奔走するニッポンの水道マンたち-
 http://www.jica.go.jp/bangladesh/office/others/human/08.html
 (JICAバングラデシュ )

チッタゴン上下水道公社無収水削減推進プロジェクト/カルナフリ上水道整備事業

◇手探りの大工事

1日、数メートル。

車両と人と出店とでごった返すチッタゴンの道路を、少しずつ少しずつ掘り起こしては
水道管を埋めていく。円借款で実施されている「カルナフリ上水道事業」は、チッタゴ
ン市内に総延長76キロに及ぶ送配水管を敷設する事業。2012年に着工し、2014年までに
浄水場を含む送配水管網を整備する。

しかし、無収水対策プロジェクトで地上の地図がなかったように、地下の地図も信頼で
きる手がかりがない。

ガス管や古い水道管、電話線などが勝手に埋められていて、「まさに、掘ってみないと
何が出てくるか分からない。チッタゴンの地下はイギリス統治時代以来無秩序にさまざ
まな管や線が張り巡らされています」。丸紅とクボタ工建のジョイントベンチャーとし
て事業を担う白井朗プロジェクトマネジャーは言う。埋設されている線や管を破壊しな
いように、人力で掘る必要があるときには、1日数メートルしか進まない場合もあるとい
う。

工事は15から30カ所以上で同時に進行している。常時500人前後の人々が工事に携わって
いるという。交通の激しい場所では、片側通行で大渋滞が発生したり、通行車同士がに
らみ合って動かなかったり、交通ルールを守らない車により、工事をしている人たちに
事故の危険が及んだりすることもある。そのため、一部渋滞地域は夜間工事にシフトし
た。それだけではない。雨が降ると工事は止まる。ホルタル(ゼネスト)の呼びかけが
あれば工事は止まる。特に選挙が実施される予定の今年は、ホルタルが頻繁に実施され
ている。

総延長76キロの途中では、日本にしかない「水管橋」という工法も採り入れられている。
水管橋は、既存の橋などに送水管を付設して川を渡すもので、川の中での工事も必要と
なる。橋の設計、干満、川底の土質など工事の実施にはさまざまな情報が必要となるが、
現場で一つひとつ調べなければ分からない。白井さんは「日本でも難しい工事で、私た
ちが現場で手取り足取り教えながらやっていくしかない。うまくいくかどうか、やって
みないと分からない工事です」と、話す。

また、鉄道の線路がある部分では、地下を掘ることで地上の線路等が崩落しないよう、
地盤を固めてから工事をする必要がある。そのための薬剤を地面に注入するのだが、こ
の薬剤の輸入・通関に時間がかるのも苦労の一つだという。

「8割以上の作業員が、日々地道な仕事に取り組んでいるんです」。白井さんは強調する。
情報のない地下を掘り進む作業は、ときに人力に頼るしかない手探りの仕事なのだ。

◇2021年を見据えて

JICAは円借款で「カルナフリ上水道整備事業」のフェーズ2にも取り組んでいる。同事業
では、2021年までにさらに浄水場や送配水施設の整備を手掛け、一日の給水量を現在の
約22万?/日から、約51万?/日へと増強する。無収水率は23%にまで下げ、水道普及率
は市全体で85%にまで引き上げたい、としている。

「JICAのこのプロジェクトは、私たちにとって生命線です」。チッタゴン上下水道公社
のファズルッラー総裁は言う。「このフェーズ2が完成すると、給水量の6割余りをまか
なうことになります」。総裁は大学卒業以来、40年以上、チッタゴンの「上下水道」一
筋に働いてきた。「JICAがプロジェクトを手掛けるまで、30年近い間、チッタゴンの水
道整備のプロジェクトは何もなかったんです」と、言う。

インフラ整備だけではなく、経営改善のための無収水削減推進プロジェクトにも期待を
かける。「職員が現場に出ていって水道利用者に直接、支払いなどを働きかけるという
作業は大変なことです。でもこの事業を見ていると、それが市民を説得し、動かす力に
なることがよく分かります。職員も利用者である市民も、少しずつ変化していっている
と思います」

一方で、廣山さんは、チッタゴン上下水道公社内で核となる若手職員を育て、維持管理
に着目したシステムを構築したい、と話す。「フェーズ2が完成し、新たに286千m3/日
の供給が確保される予定である2021年にチッタゴンの水道インフラの整備は一つの節目
を迎えます。そのときに結果を出せる体制となっているかどうかが、勝負です。2021年
を見据えて人を育てていきたいと考えています」

(了)

■バングラデシュ、衣料部門労働者の最低賃金77%引き上げを承認
 http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0J70IP20131122
 (ロイター 2013年11月22日)
 
[ダッカ 21日 ロイター] -バングラデシュ政府は21日、衣料部門従業員の賃金
を12月から77%引き上げることを承認した。同国ではここ数カ月、衣料部門のスト
で生産が混乱している。

衣料部門の最低賃金(エントリーレベル)は、現在の月額3000タカから5300タ
カ(68ドル)に引き上げられる。

工場所有者の見込みと同水準。所有者側は、小売業者にコストの一部負担を求めている。

前回の最低賃金引き上げは2010年。政府委員の1人は、労働者側は月額8000タ
カへの引き上げを要求していたが、当局は全員に受け入れ可能な妥協点を探ったと説明。
「(工場)所有者側と労働者側は、当局の決定に従うことに同意した」と述べた。

新賃金体系には、食品、家賃、交通費、医療に対する手当てのほか、基本給の年5%引
き上げも盛り込まれている。

 
■バングラデシュ衣料品工場の共通安全基準で合意
 http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304152804579210604152905932.html
 (ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2013年11月21日)

【ダッカ(バングラデシュ)】バングラデシュでは、衣料品工場の大規模崩壊事故を受
けて打ち出された3つの個別の安全協定が、工場査察の共通基準で暫定的に統一されるこ
とになった。4月に起きたこの事故では、1100人を超える死者が出ている。

 3つのグループ――欧州の小売業者を中心とした「バングラにおける火災・安全協定」、
米ウォルマート・ストアーズ とギャップを中心とする「バングラ労働者安全連合」、そ
れにバングラ政府の「全国3者行動計画」――の専門家は先週、基準統一で合意した。各
グループは査察を簡素化し、重複を避けるために統一された基準を取り入れる。

 合意は今後各グループの運営委員会の最終承認を得なければならない。合意を支援し
た国際労働機関(ILO)のバングラ担当ディレクター、スリニバス・レディー氏によると、
これが実現すると、同国の衣料品製造業界の安全基準引き上げを目指す国際的な試みで
重要な突破口となる。

 レディー氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、「同じ基本的基準を
適用するための査察方法と安全基準に向け、重複を避け、足並みのそろった取り組みで
合意できたのは極めて重要だった」と述べた。

 しかし、「労働者の権利コンソーシアム」のエグゼクティブディレクター、スコット
・ノバ氏はこれに懐疑的だ。同氏は「強力で共通した基準」は「重要で役立つ手段にな
るだろう」としながらも、重複はバングラで大きな問題ではなかったと述べた。

 同氏は「過去10年間の業界査察プログラムがうまくいかなかった理由は、それが重複
していたり、共通の基準がなかったりしたことではない」とし、「権限のある安全エン
ジニアによって行われなかったためで、査察者は独立していないし、透明性もなく、ブ
ランド企業や小売企業は工場の改築に必要な資金を出すことに消極的だった」と語った。

 合意文書は3グループの専門家から成る委員会によってまとめられた。これには構造、
火災、電気の安全性についての指針が盛り込まれている。WSJが文書を確認したところ、
これまでの工場事故で繰り返された問題の多くに対処している。

特に、工場査察は、少なくとも2人の有資格査察官が行うとされ、各人の経験年数は少な
くとも5年、査察官全体で少なくとも20年が必要とされている。また、一定の面積に置け
るミシンの数を制限する「ロード(負荷)マップ」も細かく提示された。さらに、火災
の場合、階段の吹き抜けに煙が侵入するのを防ぐために防火扉を設置し、出口と出口の
間隔は最大25メートルとすることも規定された。当局者によると、一部の詳細は微調整
中だという。

 バングラ労働者安全連合の会長、ジェフリー・クリラ氏は電話インタビューで、「わ
れわれの基準は大筋でまとまった」と述べるとともに、「足並みのそろった安全基準は
バングラの工場の安全性を高める上で極めて重要な一歩だ」と語った。

 ダッカ郊外のラナ・プラザ工場の崩壊事故や死者を伴ういくつかの工場火災を受けて、
年間200億ドル(2兆円)の売り上げがある同国衣料品製造業界の安全基準と一部の労働
環境のひどさが注目された。同業界は西側の多くの大手小売業者に製品を供給している。

 小売業者はこうした状況を受け、工場の安全性向上のために投資する協定にそれぞれ
調印している。協定は2つあり、ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M) 、ザラの親会社
インディテックス など欧州ブランドを中心とした約100社は、少なくとも当初2年間は発
注水準を維持し、工場改装の費用を分担することをうたった、拘束力ある協定(期間5年)
に調印した。ウォルマートとギャップを中心とする二十数社の米企業は、工場査察や改
装に投資することを約束する、拘束力のない協定を結んだ。

 欧州企業のグループは1600以上の工場を、米グループは約600の工場を査察対象にして
いる。バングラ衣料品製造業者協会によると、同国の工場は約5000に上る。同国政府は、
これらの民間協定がカバーしていない1200の工場の査察を約束している。

■バングラの新興企業を圧迫する現実
 http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304894104579209092368629918.html
 (ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2013年11月20日)

【ダッカ(バングラデシュ)】バングラデシュでトートバッグを製造するある新興企業
は今、雑で混乱状態にある同国の繊維製品業界の限界を試そうとしている。

 今年4月に起きたラナ・プラザ縫製工場の崩落事故でボランティアとして救助に当たっ
たカジ・モニル・ホサインさん(27)は、同工場の従業員らが仕事に戻れるように努力
している。しかし、多くの人たちは二度と衣料品製造業界に足を踏み入れたくないとし
ている。このためホサインさんは、義援金を充ててジュートや綿のバッグを製造する事
業を始めた。

 創業から4カ月たったこの会社オポラジェオ―ベンガル語で「無敵」の意味―は元ラナ
・プラザ従業員21人を雇っている。工場があった通りにある小さな工場では従業員たち
が、ざらざらした手触りのジュートをシンプルなトートバッグや花柄の財布、ワインキャ
リアなどを作っている。

 ホサインさんは「ジュートはかつてバングラで非常に有名だった」とし、「われわれ
はこれをまた売り出すことができる」と話した。

 彼の会社には十分な注文が来て、従業員は忙しく働いている。しかし、彼は自分の理
想をバングラの巨大な繊維製品業界の現実に合わせるという課題に直面している。世界
の大手小売業者は、自分たちのデザインを安く生産してくれる労働者を求めてバングラ
にやって来る。こうした企業は地域文化の製品は買おうとはしない。

 その上、大手の小売業者は世界の繊維製品業界で最も安い最低賃金によって可能にな
っている安い生産コストに魅力を感じているが、ホサインさんは従業員にもっと支払い
たいと思っている。基本的な水準の従業員には月間38ドル(3800円)という同国の最低
賃金の4割増しを払っている。同国政府の委員会は最近、これを67ドルに引き上げること
を勧告したが、彼はオポラジェオの初任給を100ドルにすることを目指している。また、
同社の利益の半分を従業員に還元することを計画するとともに、医療手当と扶養子供の
ための教育手当も払っている。同国ではこのような手当は異例だ。

 メード・イン・バングラデシュのバッグメーカーの立ち上げは、年間200億ドルの売り
上げがある同国繊維製品業界の多様化が難しいことを示している。バングラ輸出促進局
によると、ジュートバッグと買い物袋の昨年の輸出額は2億3700万ドルで、繊維製品輸出
額の1%程度にすぎない。

 ジュートバッグの注文はディーラーを通じて来るが、多くの衣料品小売業者は工場と
直接取引をしていて、バングラで衣料品を仕入れる巨大小売業者はホサインさんを素通
りする。彼は、欧州の小売業者の関係者と会ったが、彼らの関心はバッグではなく衣料
品にあると言われたという。

 ホサインさんは今月中に1万2000ドルの売り上げを記録する見込みだ。

 ラナ・プラザの元従業員の多くは衣料品工場に戻りたくはないと話している。ラナ・
プラザ工場の崩壊事故では1100人が死亡し、数千人が負傷した。同じような工場に戻り
たくはないというものの、繊維製品業界の400万の労働者にとって別の働く場所はほとん
どない。中国やベトナム、カンボジアで発達した靴・革製品などのその他のアパレル部
門は、バングラでは極めて小さい。

 オポラジェオのジュート、綿バッグの製造で求められる技術は衣料品の場合に似てい
る。使われるミシンのほとんどは労働者たちが以前に使っていたのと同じ型だ。ジュー
トは綿に比べて固く、厚いため縫製したり、ファスナーやポケットを付けたりするのに
より時間がかかる。しかし、縫う線はまっすぐで単純だ。

 ラナ・プラザで働いていたラブリーさん(20)は「仕事は同じようなもの」とし、「
衣料品工場には二度と行きたくないが、私の働く意欲はとても強い」と話した。

 バングラではジュートの歴史は衣料品業界より古い。ベンガル湾の気候の中で、ジュ
ートは何十年も前から豊富にある。国連食糧農業機関(FAO)によると、同国はインドに
次ぐ世界第2のジュート生産国だ。

 リネンと同様、ジュートは環境に優しいファッションとして需要が高まり、再び流行
している。食料雑貨店ではレジ袋の代わりに、ジュートを使ったバーラップ・トートバ
ッグを販売している。ケイト・スペード、マンゴ、ル・プランス・ジャルディニエール
などのブランドもジュート製あるいはジュートを混合した素材のバッグやiPad(アイパ
ッド)ケースを作っている。セリーヌは最近、アクセサリーにジュートを使っている。

 これまでのところ、2ドル以下の価格で卸売りされているオポラジェオのざらついた手
触りのバッグは、ファッションアクセサリーというよりは実用商品の部類に入っている
が、同社は持ち手に組紐を使ったり花柄のアップリケを付けたりして、もっとカラフル
な「ファンシー・レディーズバッグ」を作ることを計画している。

 ホサインさんは、ジュートバッグの生産は地域の二つの特質を合体させる方法と見て
いる。彼は「バングラには最高品質のジュートと世界で最も安価な労働力があることを
知った」と話した。彼はもともと製造業については何も知らなかった。ラナ・プラザ以
前は、機会エンジニアとしての訓練を受けた彼はダッカ郊外で有機農場を経営していた。

 ボランティアの救助活動をしたあと、ホサインさんは収入の途絶えた人たちに食料を
与えたり家賃を払ってやったりして支援しようとした。しかし彼は「こうした支援は長
期的な解決策にはならないことに気付いた。彼らは再び職に就く必要があったのだ」と
話した。

 7月、彼は平屋の建物―労働者は建物の崩壊を心配しなくてすむ―でオポラジェオをス
タートさせた。同社は木工所と建物を共有している。彼は義援金でミシンを買い、バッ
グのデザインをネット上で研究した。労働者たちはワインキャリア、ショッピングバッ
グ、その他を生産して買い手となりそうな人たちに見せた。地域のNPO向けに作ったサン
プルには「私は割れる壁ではない。私は壁のひびだ」とのスローガンが記されている。
(ラナ・プラザの壁のひびを見て労働者たちは建物崩壊の前に警戒を強めた)。

 最初の顧客は救助活動の際にホサインさんが会った複数の支援グループだった。女性
の権利擁護団体のメンバーは、彼は「非常に精力的に働いている」と話した。

■バングラデシュの衣料産業に懸念、労働環境の改善を=国連
 http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE9AI05L20131119
 (ロイター 2013年11月18日)
 
国連の専門機関である国際労働機関(ILO)は18日、バングラデシュの衣料産業は
労働環境の改善が必要不可欠とする報告書を発表した。

ILOは報告書で、バングラデシュが労働市場と社会政策に関して包括的な措置を取ら
なければ、経済成長の勢いを維持することができなくなると指摘。また、若者に対する
教育環境やフルタイムの雇用を創出する必要があるとした。

バングラデシュでは今年4月、首都ダッカ郊外で縫製工場が崩壊して1129人が死亡
したほか、昨年は別の工場で火災が発生して117人が死亡した。

報告書によれば、バングラデシュの既製服産業は過去20年間で世界の衣料品輸出の4
.8%を占めるまでに成長した。ただ、2010年時点で1日2ドル以下で生活してい
るのは全人口の約76%に上り、中でも衣料産業に従事する労働者の賃金は周辺諸国と
比べて最も低いという背景がある。

 

■土呂久の教訓バングラに ヒ素汚染深刻
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyazaki/news/20131117-OYT8T00703.htm
 (読売新聞 2013年11月17日)
 
 高千穂町で発生した土呂久(とろく)公害のヒ素中毒患者の支援者らでつくるNPO法
人「アジア砒素(ひそ)ネットワーク」(AAN、宮崎市)が、世界最大規模のヒ素汚染
地のバングラデシュに、治療や情報交換の拠点となる「ヒ素センター」を完成させた。
土呂久の公害認定から40年。AAN理事の川原一之さん(66)は「ヒ素に苦しむア
ジアの人々のために土呂久の経験を伝え続けたい」と話している。12月に現地で式典
が行われる。(甲斐也智)

 バングラデシュ南西部のジョソールに完成したヒ素センターは、レンガ造り3階建て。
現地の医師や化学者ら約20人が働き、住民にヒ素中毒の検診をしたり、重篤患者に専
門病院を紹介して治療費を援助したりする。ヒ素濃度を調べる分析室や研修者らの宿泊
室もある。

 2009年に着工した。10年に1階部分ができて運用を始めたが、資材の高騰で工
事が中断し、完成が遅れていた。建設費は約1800万円で、日本などからの寄付でま
かなった。

 AANは、土呂久公害によるヒ素中毒患者の支援にあたったメンバーらが、公害の歴
史やヒ素の恐ろしさを伝えようと、1994年に設立した。バングラデシュを中心に中
国やインド、ベトナムなどアジア各地でヒ素汚染問題に取り組んでいる。

 バングラデシュでは、ヒ素を含む土壌がガンジス川流域などに堆積し、地下水が汚染
されたとみられ、地下水を飲んだ住民らが慢性ヒ素中毒になり、気管支疾患やがんを発
症。患者数は約5万6000人に上るとされる。

 AANが活動を始めた96年頃には、ヒ素の存在が知られておらず、「原因不明の伝
染病」として恐れられ、結婚や就職で差別を受けていた。川原さんらメンバーは、住民
の証言を集め、各地の井戸に含まれるヒ素の量を調査。井戸水に含まれたヒ素を除去し
たり、ため池の水を濾過(ろか)したりする装置を約500か所に設置した。

 川原さんは「長年活動してきた成果がセンターという形になり、感慨深い。アジアの
ヒ素対策の拠点となり、現地のスタッフだけで運営できるよう支えていきたい」と話し
ている。

 
 
■バングラデシュ衣料労働者
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-11-16/2013111607_01_1.html
 (しんぶん赤旗 2013年11月15日)

バングラデシュの衣料工場経営者が同産業労働者の最低賃金を現行より77%引き上げ
ることに同意しました。経営者団体が13日夜、この問題でハシナ首相と会談。翌14
日、引き上げに同意したことを明らかにしました。一方、労働者側はいっそうの引き上
げを求めています。ロイター通信が伝えました。

衣料産業労働者の最低賃金をめぐっては、バングラデシュ政府が設置し、労使代表も加
わる賃金委員会が4日、現在の月3000タカ(約3800円)を5300タカ(約6
700円)に引き上げるよう提案。経営者側は難色を示していました。
バングラデシュ衣料製造・輸出業協会のイスラム会長はロイター通信に対し、「首相が
この問題を調査するよう確約した」として引き上げに同意したと語りました。同氏によ
ると、引き上げは12月から実施されます。
労働者側は賃金委員会で8100タカ(約1万260円)への引き上げを要求。労働条
件改善を求める行動も引き続き行われています。14日は200カ所の工場が閉鎖とな
りました。
アハメド労相は同日、労組代表と会談。終了後、記者団に対し「われわれは衣料産業労
働者に生活できる賃金を保証するよう努力している」と語りました。
ロイター通信によると、新たに引き上げられた金額でも、バングラデシュの衣料労働者
の賃金は世界最低水準です。
 
 

■ウォルマート、バングラ工場の検査結果開示へ―15%以上が不合格
 http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304894104579205252367037392.html
 (ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2013年11月18日)

 米小売りチェーン大手ウォルマート・ストアーズがバングラデシュで初めて取引先工
場の安全点検をしたところ、対象工場のうち15%余りが基準を満たしておらず、取引を
継続するためには改善が必要だったことが分かった。

 ウォルマートによると、30カ所以上の工場の大半が問題を解決済み、あるいは解決に
取り組んでいるところだ。例えばある7階建ての工場は、違法な8階部分を解体した。ま
た安全基準を満たせず、その後も十分に問題を解決できなかった2つの工場とは取引を停
止した。

 ウォルマートはウェブサイト上で75件の安全点検の結果を公表するつもりだ。監査が
済み次第、ほかのデータも追加する。欧米の主要小売業者でここまで大掛かりな対策を
打ち出している企業はほかにない。バングラデシュでは現在200以上の工場と取引をして
いて、それらの全てを検査すると約束している。同社は以前、今年6月から検査結果を公
表し始めると述べていた。

 ウォルマートを含む欧米の小売業者向けの商品を製造している工場で4月に致命的な事
故が起きて以来、ウォルマートはサプライチェーンの状況を把握しようとしている。同
社はバングラデシュ製衣料品の最大顧客の1社だ。バングラデシュの労働環境の悪さを批
判する人々は、ウォルマートの厳しいコスト管理を標的にしている。

 ウォルマートは衣料品の仕入れ先を公表していなかったが、4月に衣料品工場が崩壊し
て1100人以上が死亡する事故が起きたり、ほかの複数の施設で火災事故が起きたりした
ことから、欧米の小売業者が安価な衣料品を調達する方法について世界中から注目され
るようになった。

 ウォルマートのグローバル最高コンプライアンス責任者のジェイ・ヨルゲンセン氏は
インタビューで「これらの検査に400万ドルを費やした。まだ完了していない」と話した。

 10月にダッカ近郊の工場、エピック・ガーメンツ・マニュファクチャリングで安全検
査をしたときには、ウォルマートに雇われた複数の技術者が新しくて赤い防火扉や屋外
の階段を点検した。これらは火災時に労働者が容易に避難できるように、また火災が倉
庫から作業場へと広がるのを防ぐために設置された。

 ランジャン・マータニ最高経営責任者(CEO)は10月に自社工場でのインタビューで「
防火扉や材料はバングラデシュでは手に入らなかった」と述べ「海外から航空便で取り
寄せ、地元のメーカーに製造方法を指導しなければならなかった」と話した。ウォルマ
ートを含む欧米の小売業者が設定した基準を満たすために、安全性の向上にすでに30万
ドルを費やしたという。

 ウォルマートは検査結果を公表する際、出口の数が少なすぎないか、建物の柱は建築
物の重さを支えられるほど強固か、といった具体的な状況を表示するつもりはない。全
体的なリスク評価をA?Dのアルファベットで示す。D評価の工場では生産を停止するが、
問題を解決して再度検査を受ける機会を与える。

 批評家は、従業員や工場の環境改善を監視したい人々にとって、ウォルマートのリポ
ートが開示する情報は不十分だと指摘している。

 ウォルマートで倫理的な調達を指揮するジャン・ソームウェーバー氏は、年内にスタ
ッフを40%増やすほか、バングラデシュの工場を定期的に検査するために技術者10人か
ら成るチームを現地の調達事務所に追加派遣する計画だと話した。同氏は9月に現職に就
いた。それまではラジャン・カマラナタン氏が10年間にわたって同職を務めていた。

 ウォルマートは、業者の奨励金に基づく報酬制度に安全基準を盛り込み始めるほか、
買い手が工場に発注する際に安全性も考慮するよう教育を始めると述べている。また、
工場が建物を改修しやすくなるよう5000万ドルの低利融資を提供すると述べた。ただ融
資を申請した工場はまだない。
 
 
 
■バングラデシュ衣料製造組合、最低賃金77%引き上げへ
 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE9AD07K20131114
 (ロイター 2013年11月14日)
 
バングラデシュの衣料品工場オーナーらは14日、勧告を受けていた最低賃金の77%
引き上げで合意したと発表した。しかし、一段の引き上げを要求する労働者が石を投げ
るなどの抗議デモを実施。警察側が催涙ガスやゴム弾で鎮圧に乗り出した。

衣料品工場をめぐる一連の事故を受け、低賃金や労働環境に対する国際的な関心が高ま
ったことから、バングラデシュ政府が設置した委員会は最低賃金を月68ドルに引き上
げるよう勧告。工場オーナーらは、13日夜に開かれたハシナ首相との協議で勧告受け
入れで合意した。

バングラデシュ衣料品製造業・輸出業組合のモハマド・アティキル・イスラム理事長は
「首相がわれわれの問題を調査すると約束し、われわれは新たな賃金で合意した」と述
べた。新たな最低賃金は政府委員会の正式な承認を経て、来月から適用される見通しだ
という。

一方、月100ドルへの引き上げを求める労働者らは街頭で抗議デモを行い、首都ダッ
カ郊外のアシュリア工業地帯で主要道路を封鎖し、工場を襲撃した。目撃者によると、
警察側は放水やゴム弾、催涙ガスを使用。警察官を含む50人以上が負傷した。

■バングラデシュで賃上げ要求のデモ続く、約250工場が一時閉鎖
 http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE9AC07620131113
 (ロイター 2013年11月13日)

衣料産業の最低賃金引き上げを求める労働者デモが続くバングラデシュで13日、首都
ダッカ近郊の約250の縫製工場がデモが暴力化した影響で一時閉鎖に追い込まれた。

ストライキを続ける労働者と警察の衝突は3日目に突入し、100人前後の負傷者が出
ている。警察はゴム弾や催涙ガスを使用し鎮圧を図った。

バングラデシュ縫製品製造業・輸出業協会(BGMEA)代表のMohammad AtiqulIslam
氏は「ここ数日の混乱を受け、さらなる破壊行為への懸念や安全上の理由から、アシュ
リア(工業団地)にある全ての縫製工場の閉鎖を余儀なくされた」と明らかにした。

同工業団地には約250の工場があり、欧米のファッションブランドに製品を供給して
いる。

工場労働者は月当たりの最低賃金を3000タカ(38ドル)から8000タカ(10
3ドル)に引き上げるよう要求している。

■バングラデシュで賃上げ求めデモ、100以上の縫製工場が一時閉鎖
 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE9AA00O20131111
 (ロイター 2013年11月13日)

バングラデシュで11日、衣料産業の最低賃金引き上げを求める労働者のデモに対し警
察が放水やゴム弾を使用し鎮圧を図った。デモの激化で100以上の縫製工場が一時閉
鎖に追い込まれた。

政府が設置した賃金委員会は先週、衣料産業労働者の最低賃金77%引き上げを提案し
た。4月に首都ダッカ近郊で1130人余りが死亡した縫製工場の倒壊事故を含め、一
連の工場での事故によって、バングラデシュの劣悪な労働環境と低い賃金に世界の注目
が集まるようになったことが背景にある。

国際労働機関(ILO)の8月のデータによると、現在の最低月給は38ドルで、ベト
ナムやカンボジアなど輸出で競合するアジア諸国の約半分となっている。

ただ、工場経営者は引き上げ幅が大き過ぎるとして反発している。

ダッカ郊外のアシュリア工業団地でこの日行われた抗議活動では、経営者が要求に答え
ていないと非難する声がでていた。投石するデモ参加者に対し、警察は催涙ガスも使用
した。

縫製工場の労働者は9月に賃金をめぐり6日間のストライキを実施。国内3200カ所
の縫製工場の約20%に影響が及んだ。

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