■バングラ中銀の不正送金、FBIが内部犯行疑う
http://jp.wsj.com/articles/SB11177905867255194074504582057780749231456
(ウォール・ストリート・ジャーナル 2016年5月10日)
ニューヨーク連銀にあるバングラデシュ銀行(中央銀行)の口座から多額の外貨
準備が不正送金された事件で、米連邦捜査局(FBI)は内部に共犯者がいるとみて
いる。国際銀行システムのぜい弱さをあらためて示したこの事件で、初めて過失
責任が示唆されたことになる。
事情に詳しい複数の関係者によると、FBI捜査官は少なくとも1人の中銀職員が
犯行に加担したことを示す証拠を見つけた。また、この証拠は他にも複数人がバ
ングラ銀のコンピューターシステム誘導でハッカー集団に便宜を図った可能性を
示唆しているという。
FBIによると、ハッカー集団はバングラ銀のコンピューターに深く入り込み、国
際銀行間通信協会(SWIFT)の通信システムを使って複数回の送金依頼を出すなど、
大胆なサイバー攻撃で10億ドル近くを盗もうとした。そして、盗まれた資金はフ
ィリピンの怪しげなカジノ施設につながったという。
ハッカー集団はニューヨーク連銀にあるバングラ銀の口座から1億ドルを不正送
金することに成功した。関係者によると、これまでに約2000万ドルを取り戻せた
ようだ。
バングラ銀の広報官であるシュバンカール・サハ氏は、中銀職員の1人あるいは
複数人が事件の共犯者として振る舞った可能性について、FBIから連絡は届いてい
ないと述べた。サハ氏は「当行は最大限の努力を払ってこの事件を調査している。
もし中銀内部の人間が関与しているのが分かれば、適切な法的措置を取る」と述
べた。
■バングラ中銀の不正送金事件、3ハッカー集団の関与確認=通信社
http://jp.reuters.com/article/bangladesh-heist-idJPKCN0Y12QT
(ロイター通信 2016年5月11日)
バングラデシュ中銀が米ニューヨーク連銀に保有する口座がハッカー攻撃を受け
8100万ドルが不正送金によって盗まれた事件で、北朝鮮とパキスタンのハッ
カーグループを含む3つの集団が事件に関与した形跡が確認されたと、ブルーム
バーグが関係筋2人の情報として報じた。
それによると、バングラデシュ中銀が事件の調査に起用した米ファイア・アイ(F
EYE.O)が、ハッカーの残した電子指紋を確認した。
現時点で3つ目のハッカーグループの素性や所在地は不明。このグループが事件
の指揮を取ったとみられる。
ファイア・アイの広報担当はコメントを差し控えた。
ロイターは現時点でこの情報を確認していない。
■バングラ中銀の不正送金事件、関係当局が初会合 全額回収へ連携
http://jp.reuters.com/article/bangladesh-heist-fed-meeting-idJPKCN0Y12RV
(ロイター通信 2016年5月11日)
米ニューヨーク(NY)連銀にあるバングラデシュ中銀の口座がハッカー攻撃を
受け、8100万ドルが不正送金によって盗まれた事件をめぐり、関係当局は1
0日、スイスのバーゼルで協議し、盗まれた資金の回収に向けて協力することで
合意した。
会談には米ニューヨーク連銀のダドリー総裁、バングラ中銀のカビール総裁、国
際銀行間通信協会(SWIFT)の代表者が出席した。犯人はSWIFTのメッ
セージを使い、NY連銀内のバングラ中銀口座から現金を盗んだとされる。3者
はこれまで事件をめぐり互いを非難しており、顔を合わせるのは事件発生以来こ
れが初めて。
NY連銀、バングラ中銀、SWIFTは共同声明で「関係各位が事件に対する懸
念を示し、オペレーションの正常化に向けて協力する方針を表明した」と指摘。
また「盗まれた資金を全額回収するとともに犯人に裁きを受けさせ、国際金融シ
ステムをこのような攻撃から守るという共通目標に向かって連携して取り組むこ
とで合意した」とした。
■バングラ中銀の現金盗難、米ソニー・ピクチャーズへのサイバー攻撃と酷似
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/05/post-5086.php
(Newsweek 2016年5月13日)
英BAEシステムズの調査報告によると、バングラデシュ銀行(中央銀行)から
8100万ドルを盗むのために使われた悪質なソフトウェアは、2014年の米
ソニー・ピクチャーズエンタテインメントへの攻撃など、他のサイバー攻撃と関
連している可能性がある。
BAEは13日に公表予定の報告書で「アジアのひとつの銀行における単独の
事件とみられていたことが、より広範な活動の一環だった」としている。
報告書によると、悪質なファイルのサンプルを集めるリポジトリを綿密にチェ
ックした結果、悪質なソフトが発見された。類似したソフトは、国際銀行間通信
協会(SWIFT)の送金システムの不正メッセージを使ったベトナムの商業銀
行への最近の攻撃にも使用された。
また、これらの攻撃で、ハッカーが足跡を消すために使用した独特のコンピュ
ータコードは、ソニーへの攻撃で使われたコードと類似しているという。
■NY連銀:バングラデシュ中銀、SWIFTと協議-サイバー攻撃で
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-10/O6Z1LTSYF01Y01
(ブルームバーグ 2016年5月11日)
ニューヨーク連銀のダドリー総裁はバングラデシュ中央銀行および国際銀行間通
信協会(SWIFT)の代表者らとの会合で、バングラデシュ中央銀行のニュー
ヨーク連銀口座に対するハッカー攻撃について協議した。今年2月に同口座に対
して、ハッカー攻撃があり8100万ドル(約88億5300万円)が盗まれた。
ニューヨーク連銀は10日、ウェブサイトで共同声明を発表し、「関係者らは
事件の対応に関する詳細な情報を提供し、今回明らかになったサイバー上および
物理的な脆弱(ぜいじゃく)性について情報交換した」と説明した。
ニューヨーク連銀によれば、ハッカーの送金指示は金融機関に広く利用され
ているSWIFTのメッセージシステムによって認証されていた。この事件で世
界の金融システムを網羅する支払いネットワークの弱さが露呈した。
■北朝鮮ハッカーの痕跡判明、NY連銀舞台のサイバー盗難事件-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-11/O6ZP7C6S972I01
(ブルームバーグ 2016年5月11日)
ニューヨーク連銀にあるバングラデシュ中央銀行の口座から8100万ドル(約88億
円)が盗み出された事件の調査で、同中銀のネットワーク内にパキスタンと北朝
鮮を含む3つのハッカー集団の痕跡が見つかったが、実際に資金を盗み出したの
はそのうちの3番目の集団であることが判明した。同中銀の内部調査の進展状況
について説明を受けた2人の関係者が明らかにした。
関係者によれば、バングラデシュ中銀が裁判証拠収集のために起用した企業
ファイアアイは、3つのハッカー集団が残した痕跡を特定。ただ、実行犯である
3番目の集団が犯罪ネットワークなのか外国のエージェントなのかを判断する十
分なデータは発見できなかった。
サイバー盗難としては史上最大級のこの事件の実行犯をめぐり謎は深まって
いる。ハッキングの実行犯は国際銀行間通信協会(SWIFT)の銀行間メッセ
ージシステムを使いフィリピンにある複数の偽口座に資金を移したものの、総額
9億5100万ドルの送金が完了する前に事件が発覚した。
調査の説明を受けた関係者によると、米連邦捜査局(FBI)はバングラデ
シュ中銀のコンピューターにアクセスできる内部の人物が事件の中心的な役割を
担ったと疑っている。バングラデシュの警察は同中銀内に過失があったことを突
き止めたが、犯罪の意図があったかどうかについては判断していない。
パキスタンの内務省と情報技術(IT)を担当する省の報道官はコメント要
請に応じなかった。国連の北朝鮮代表部に電話と電子メールでコメントを求めた
が返答はない。
■世界の金融機関に緊張走る-サイバー攻撃マルウエアに識別コード
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-17/O7CB3J6TTDTB01
(ブルームバーグ 2016年5月18日)
ベトナムとバングラデシュの銀行に対するサイバー攻撃事件をきっかけに世界の
銀行業界で懸念が高まっており、一部銀行は国際銀行間通信協会(SWIFT)
に対し、加盟する1万1000社でのセキュリティー強化を非公式に迫っている。
SWIFTへの風当たりが強まっているのは、最近明らかになった銀行への
サイバー攻撃事件で新たな詳細が出てきたためだ。英BAEシステムズがまとめ
た報告書によれば、昨年遅くに起きたベトナムのティエン・フォン・コマーシャ
ル・ジョイント・ストック銀行(TP銀行)への攻撃に使われたマルウエアを検
証した結果、少なくとも新たに7つの金融機関を識別できるSWIFTコードが
埋め込まれていたことが分かった。
このリストに含まれた金融機関にはアジアの複数の主要銀行と欧州の少なく
とも1行が含まれており、リストについて知る関係者2人によると、TP銀行が
コルレス口座を持っていた銀行もあった。事情に詳しい関係者1人の話では、マ
ルウエアはこれらの銀行を攻撃するために使われたのではなく、TP銀行と相手
行の間で交わされた送金確認を削除していたという。
こうした事実の発覚は、「銀行を標的とした広範囲かつ高次に適応できる攻
撃キャンペーン」というSWIFTの先週の警告と共に、サイバー攻撃の対象が
単に途上国の小規模銀行だけにとどまらないことを鮮明にした。このため世界の
金融機関の間で警戒感が強まっていると欧米の複数の銀行の事情を知る複数の関
係者は話しており、米国ではこうした懸念から主要銀行がSWIFTに一層の対
応を求めているという。
BAEの報告書によると、ベトナムでのサイバー攻撃で使われたマルウエア
は「取引メッセージを解析するよう作られていた」。それには中国工商銀行のニュ
ーヨークとハノイの支店のほか、三菱東京UFJ銀行、イタリアのウニクレディ
ト、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)などのSWIFTコード
も含まれていた。
加盟金融機関の責任
SWIFTは長年、自らの金融メッセージネットワークの安全性を確保して
きたが、それぞれの識別コードとさまざまな技術水準を持つ加盟金融機関の接続
の仕方に関するセキュリティーについては注意があまり払われていなかった。現
在でもサイバー攻撃に関する議論では、SWIFTは独自のネットワークは侵入
されていないと強調し、加盟金融機関自身のシステムインターフェースの責任を
指摘している。
SWIFTの広報担当、ナターシャ・デ・テラン氏はコメントを控えた。B
EAの広報担当と報告書の筆頭執筆者に取材を試みたが返答は得られていない。
中国工商銀と三菱UFJフィナンシャル・グループ、ウニクレディトもコメ
ントを控えた。ANZの広報担当、スティーブン・ライズ氏は電子メールで、「
複数の国際的銀行のSWIFTコードがマルウエアに含まれていたことは認識し
ているものの、当行はこの種の不正を検出・防止するための強力なシステムを導
入している」と述べた。
このマルウエアではこのほか、シンガポールのユナイテッド・オーバーシー
ズ銀行(UOB)と韓国の国民銀行、みずほ銀行のSWIFTコードも見つかっ
た。
みずほ銀行を傘下に置くみずほフィナンシャル・グループの広報担当者はコ
メントを控えた。国民銀行の担当者は、同行がハッカーに侵入されておらず何も
盗まれていないと述べた上で、バングラデシュとベトナムの銀行への攻撃に関連
する問題について追跡調査していると説明した。
UOBのマネジングディレクターで、グループ・テクノロジー・アンド・オ
ペレーションズ担当責任者のスーザン・ウィー氏は、「UOBは銀行システムと
ネットワークのセキュリティーを極めて重大に取り扱っている」と述べ、それ以
上のコメントは控えた。
■バングラ、中銀不正送金でSWIFTを非難-同社は反論
http://jp.wsj.com/articles/SB11177905867255194074504582064462537833858
(ロイター通信 2016年5月14日)
ニューヨーク連邦準備銀行にあるバングラデシュ銀行(中央銀行)の外貨準備口
座から多額の外貨が不正送金された事件に関連し、バングラデシュ中銀と国際銀
行間通信協会(SWIFT)は責任の所在をめぐり互いを非難している。
バングラデシュの当局は、海外・国内送金の両システムを接続するというバン
グラデシュ銀の昨年の決定が思いがけなく2月の資金流出を招いてしまったと述べ
た。この接続作業はSWIFTが行ったが、同国警察によると、連結したネットワーク
はインターネットからの不法侵入にぜい弱な状態になった。
捜査に詳しい人物によると、現金消失の前段階では、北朝鮮やパキスタンなど
を拠点とするグループも含めた複数のハッカー集団がバングラデシュ銀のネット
ワークで活動していた形跡があることが判明した。だが、不正送金をやってのけ
たのは別の集団だとの見方が強まっている。この集団の拠点は分かっていないと
いう。
SWIFTは13日、サイバー犯罪者集団がある市中銀行のネットワークに似た攻撃を
行ったことを、銀行名は伏せて顧客に通知。これら2件の現金流出事件は「銀行を
標的とした、より広範で非常に適応能力の高い攻撃の一環」だと警告した。
バングラデシュ警察の犯罪捜査部のシャハ・アラム氏は、SWIFTの技術者はコン
ピューターシステムを接続する際に「承認済みの設置計画から逸脱」し、これが
もとで中銀にあるSWIFTのサーバーが「インターネットにつながったコンピュータ
ー」に接続したと指摘した。
SWIFTはこの設置作業の一部を第三者業者に委託しており、アラム氏はこれがリ
スクを高めた可能性があるとした。
一方、SWIFTのナターシャ・デ・テラン広報担当は「全てのサービスはバングラ
デシュ銀の指示に基づいて行われ、現在もそうだ」と強調。SWIFTがバングラデシュ
銀の承諾なしに「合意済みの業務から逸脱することは不可能」と述べた。また、
SWIFTと第三者業者の両方が「サポート業務を提供」したことを確認する一方、業
者名の公表は控えた。
バングラデシュ銀報道官のシュバンカール・サハ氏は、SWIFTと合意していた業
務範囲でサーバーのインターネット接続が必要だったかについてはコメントでき
ないと述べた。
■国際決済ネットワークにハッキング バングラデシュ中銀事件
http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/column/infostand/20160516_757477.html
(Impress Watch 2016年05月16日)
今年2月、銀行間の国際決済システムを利用して、10億ドル近くをバングラデシュ
中央銀行から奪おうとしたハッキング事件が起こった。大半は寸前で阻止された
が、それでも8100万ドルが闇に消えていった。銀行のハッキング被害としては過
去最大級となる。中央銀行を相手に仕掛けられた大胆な手口は洗練されており、
サイバー犯罪の高度化を象徴している。さらに関係当局の必死の捜査が続けられ
る中、別の銀行も攻撃を受けたことが分かった。
奪われた8100万ドル
事件は発生から約1カ月近くたって、フィリピンのメディアが報じたことで明る
みに出た。2016年2月5日、何者かがニューヨーク連邦銀行のバングラデシュ中銀
の外国為替口座に、虚偽の送金依頼を行って現金を指定の口座に振り込ませたと
いうものだ。送金依頼は計35件で総額9億5100万ドルにのぼったが、30件計8億50
00万ドルについては、額や振り込み先が不自然なためニューヨーク連銀が承認せ
ず、手続きが差し止められた。
しかし、5件についてはニューヨーク連銀を通過し、フィリピンの銀行RIZAL C
OMMERCIAL BANKING(RCBC)へ4件計8100万ドル、スリランカのPan Asia Bankに2
000万ドルが送金された。このうちスリランカへの送金は、あて先のNGOの「Shal
ika Foundation」の名称にスペルミス(「Foundation」が「Fandation」になって
いた)があり、経由銀行のドイツ銀行がバングラデシュ中銀に照会したため、被
害を免れたという。Shalika FoundationというNGOは同国のNGOリストには登録さ
れていなかった。
犯人は周到な準備をしていたとみられている。2月5日はイスラム教の安息日の
金曜日であり、6日の土曜からはニューヨーク連銀が閉まるというイミングだ。処
理が行われる際に自動的に打ち出されるプリンタのプリントアウト機能を止める
仕掛けもして、気づかれにくくし、ほとんど足跡も残していなかったようだ。
フィリピン当局の捜査では、8100万ドルはRCBCからさらに、外貨ブローカーの
手で、中国名の人物や、カジノリゾートに3つに分けて送金された。マネーロンダ
リングが行われ、その追跡は困難になっている。後日、カジノ関係者が一部を返
還するとフィリピン当局に申し出たが、大半は回収の見込みがないままだ。事件
を受けて、バングラデシュ中銀の総裁が引責辞任し、副総裁2人も更迭されている。
巧妙に構築されたマルウェア
送金は、国際決済ネットワーク「SWIFT」(Society for Worldwide Interbank
Financial Telecommunication:国際銀行間通信協会)を通して行われた。犯人
は、バングラデシュ中銀内にマルウェアを仕込んで、偽の送金オーダーを出した
とみられている。同行側の認証情報を獲得していたようで、SWIFT側のシステムに
は正規のユーザーと認識されていた。実際に使用されたマルウェアが、どんなも
ので、誰がどのように仕掛けたのか明らかになっていないが、手がかりも少しず
つ見つかっている。
4月25日、BAE Systemsは犯行で使われたとみられるマルウェアを解析したとブ
ログで発表した。パブリックレポジトリで発見したもので、Oracle Databaseのト
ランザクションを記録する「Alliance」ソフトウェアのチェック機能をすり抜け
る機能を備えているほか、送金メッセージやログインのモニタリング、処理を実
行した際のプリンタへの自動プリントアウトの停止などの機能を持っていたとい
う。「ルートキット」の一種とも言える。
ブログの筆者Sergei Shevchenko氏は、このマルウェアを「より大きなツールキ
ットのほんの一部をなすもののように見える」としており、攻撃者の追跡を妨げ、
マネーロンダリングのための時間稼ぎを狙ったのだろうとみている。また、「こ
のツールは、将来の似たような攻撃に利用できるよう、高度にカスタマイズ可能
になっている」と述べている。
責任の所在
SWIFTは、ベルギーに本部を置く協同組合形式の国際銀行間通信協会(SWIFT)
が運営しており、200カ国以上、1万1000を超える金融機関が接続する決済ネット
ワークだ。世界で最もセキュアなネットワークであり、“支払いシステムのロー
ルスロイス”とも言うべき存在だ。
その絶対安全なはずのSWIFTが舞台となって、これほどのハッキング事件が起こ
ってしまったのだから関係業界への衝撃は大きい。メディアの報道も原因をめぐ
って繰り広げられた。責任の所在をめぐって関係者の間の不協和音も上がってい
る。
4月25日、バングラデシュ中銀がファイアウォールを設置しておらず、ネットワ
ークでは10ドルの中古のスイッチを使っていた、とReutersが報じた。スイッチン
グハブを使っていたためネットワークが適切に切り分けられておらず、セキュリ
ティに大きな問題があったとのことだ。
この話はバングラデシュ警察の科学捜査研究所のトップであるMohammad Shah
Alam氏がReutersに語ったものだ。同氏は「もし、ファイアウォールがあったら、
ハッキングは難しかったかもしれない」と述べ、同時に「(バングラデシュ中銀
に)事件の責任があると言えるが、(SWIFTから)事前にそうしたアドバイスを受
けていたという証拠もなかった」とSWIFTにも非難の矛先を向けた。
さらにReutersは5月9日、SWIFTの技術者が事件の3カ月前に実施した新システム
への接続作業でミスがあり、このときの脆弱性が犯行を可能にしたとのAlam氏の
発言をスクープした。「われわれは多くのすき間を見つけた。この作業がバング
ラデシュ中銀のリスクをもたらした」(Alam氏)という。
これに対して、SWIFT側は即座に、この報道は事実無根であるとの声明を発表。
「SWIFTは、バングラデシュ警察の挙げたいかなる問題についても、関連する銀行
側の決定にも、一切責任はない」と強い調子で反論している。
第二の攻撃
犯人は何者なのか――。Wall Street Journalは9日、バングラデシュ中銀内部
に共犯者がいるとの証拠をFBIが掴んだと報じている。
Bloombergは、これを追うように、3つのハッカーグループの痕跡がみつかった
と報じた。バングラデシュ中銀の依頼で調査しているセキュリティ会社のFireEy
eによるもので、それぞれパキスタン、北朝鮮、もう一つは不詳の国のグループで、
実際に被害をもたらしたのは3番目のグループだという。
Bloombergによると、マルウェアがどうやって仕掛けられたかは、なお特定でき
ていないという。FireEyeは、行内の人物か、同行に入れる外部技術者がUSBメモ
リなどで持ち込んだ可能性も考えている。とはいえ、そうであるとの証拠もみつ
かっていないという。
そして先週末、新たな事件が明らかになった。SWIFTは13日、別の銀行でも似た
攻撃があったことを明らかにし、全顧客に警告を発した。「銀行を狙った、より
広範囲で高度な適用力のある攻撃の一部」と考えられるという。標的は商業銀行
だというが、名前は伏せられている。
この新しい事件の調査では行内からマルウェアがみつかった。PDFリーダーに取
り付くトロイの木馬で、特定の依頼元の確認メッセージを出力するPDFファイルか
ら消去。つまり、送金の操作を銀行側に気づかれにくくするのだ。プリンタとPD
Fファイルの違いはあれ、BAE Systemsが解析したマルウェアと役割は似ている。
SWIFTは顧客金融機関に対し、従業員のアクセスも含めてSWIFT関連システムの
チェックをするよう異例の要請を行っている。同時に「SWIFTネットワークのコア
・メッセージシステムへのセキュリティ侵害はない」とも強調している。
全貌の解明にはなお遠いが、この一連の事件は攻撃者の変化が起こっているこ
とを示唆している。New York Timesは、銀行を標的とした攻撃は以前から繰り返
されてきたが、これまでSWIFTは対象外で、攻撃者は銀行自体から資金を奪うこと
を狙って、預金者のものを奪うようなことはしなかったと指摘する。「それは、
あたかも泥棒たちが銀行の金庫に到達するためにハッキングのスキルを使ってい
たかのようだった」
セキュリティと暗号の専門家、Paul Kocher氏はNew York Timesに次のようにコ
メントしている。「今回の事件は、銀行システムが直面するリスクを変えてゆく
だろう。攻撃者は必然的に、一度獲得したものを、より大きなスケールの攻撃に
活用しようとするからだ」。
■落雷で4日間に65人死亡、例年上回る被害 バングラデシュ
http://www.cnn.co.jp/world/35082694.html
(CNN 2016年05月17日)
バングラデシュ各地で例年以上に落雷の被害が相次ぎ、15日までの4日間だけ
で65人が死亡した。災害対策当局が16日に明らかにした。
当局者によると、落雷はほとんどが同国北部や中部で発生し、主に農作業や建設
作業をしていた人が犠牲になった。特に12日の落雷では34人が死亡。翌13
日には21人、14日に7人、15日には3人が死亡した。
バングラデシュではモンスーンの季節に入る前の3月から6月にかけ、強い寒冷
前線がヒマラヤ山脈から南東部に張り出してベンガル湾の温かい湿った空気とぶ
つかり、暴風雨や落雷が頻発する。
森林伐採のために影響はさらに深刻化。特に樹木の少ない農地で作業している人
は落雷の被害に遭いやすい。
災害対策当局によれば、今年は例年以上に落雷による死者が多いという。昨年の
死者は1年間で274人だった。
バングラデシュ政府は死者が増えている原因を調べるとともに、落雷被害を防ぐ
ための啓発キャンペーンを展開している。犠牲者の遺族には2万バングラデシュ
・タカ(約2万7000円)、負傷者には1万タカ(約1万4000円)の補償
金を支払う。
米国で今年に入って落雷により死亡した人は5人にとどまる。落雷に遭っても約
90%は命を取り留めるが、多くは重傷を負う。人が一生涯で雷に打たれる確率
はおよそ1万2000分の1。
■バングラデシュで「前例ない」落雷被害、3日間で59人死亡
http://www.afpbb.com/articles/-/3087164
(AFP通信 2016年05月16日)
バングラデシュでは先週末にかけ、各地でモンスーンシーズン前の雷雨が発生し、
3日間で落雷により59人が死亡した。当局が15日、明らかにした。
災害対策当局の関係者はAFPに対し、バングラデシュ各地で落雷によって12日に
34人、続く2日間で25人が死亡したと述べ、「落雷でこれほど多数の死者が出たこ
とは前例がない」と語った。犠牲者の多くは水田で農作業中だった人たちだとい
う。
落雷による死者が増加していることについて、気象専門家のシャー・アラム(
Shah Alam)氏は、避雷針の役目を果たしていたヤシなどの高木が伐採されたこと
や、農作業中に携帯電話など金属製品を身に着ける人が増えたためではないかと
指摘した。
■バングラデシュ各地で落雷 32人死亡、25人負傷
http://www.nikkansports.com/general/news/1646836.html
(日刊スポーツ 2016年5月13日)
バングラデシュの首都ダッカなど同国各地で12日、激しい嵐が発生し、地元
警察などは13日、落雷で少なくとも32人が死亡、25人が負傷したと明らか
にした。
PTI通信によると、犠牲者には、雨の中でサッカーをしていた大学生や子ど
もが含まれている。バングラデシュでは落雷で年間約300人が死亡していると
いう。
■サイクロンで20人死亡=50万人避難-バングラ
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016052200003&g=int
(時事通信 2016年05月22日)
【チッタゴン(バングラデシュ)AFP=時事】バングラデシュ南部を21日、
大型のサイクロンが襲い、各地で洪水や土砂崩れが発生、警察によると、少なく
とも20人が死亡、50万人が避難している。南部チッタゴンの警察当局者は「
郊外で2カ所堤防が決壊し村が二つ水没した。7人が水死した」と述べた。チッ
タゴンでの土砂崩れでは山裾の自宅にいた母子が生き埋めになった。沖合の島々
でも犠牲者が出ている。
■サイクロンで死者21人、50万人が避難 バングラデシュ
http://www.cnn.co.jp/world/35083009.html
(CNN 2016年05月22日)
バングラデシュ南部の沿岸部が21日、サイクロンに襲われ、災害対策当局者に
よると少なくとも21人の死亡が確認された。多数の住民が避難している。
一部の地域は同日、風速約25メートルの暴風や300ミリ以上の豪雨に見舞わ
れた。南部のバリサルや南東部チッタゴンでは特に被害が大きく、住宅数百棟が
損壊したり土砂崩れが発生したりした。
サイクロンはこの数日間にインド東部カキナダでも450ミリを超えるなど大量
の雨をもたらし、21日にバングラデシュに上陸した後は勢力を弱めながら北上
を続けている。同国の一部では今後さらに50~150ミリの雨が予想される。
災害対策当局者によると、犠牲者の多くは倒木や倒壊した家屋、土砂の下敷きに
なって死亡した。死者はさらに増える恐れがあるという。
チョードリー災害対策復興相は記者会見で、沿岸部の広い地域が冠水し、約50
万人が避難したと語った。停電に見舞われたり、交通が遮断されたりした地域も
多い。
バングラデシュは海抜が低いことなどから、これまでもサイクロンで大きな被害
を受けてきた。1991年に襲ったサイクロンでは少なくとも14万人が死亡し
たとされる。
東パキスタン時代の70年にはサイクロンで50万人が死亡。米海洋大気局(N
OAA)によれば、熱帯低気圧の災害として20世紀最大の規模となった。近年
は警戒システムや避難態勢の改善により、犠牲者を少数に抑えることができるよ
うになっている。
■仏教僧が何者かに殺害される バングラ、ISによる襲撃頻発
http://www.sankei.com/world/news/160514/wor1605140051-n1.html
(産経ニュース 2016年5月14日)
バングラデシュ警察は14日、同国南東部チッタゴン近郊の村の寺院で、70
代の仏教僧侶が何者かに刃物で切られて殺害されたと明らかにした。現場はミャ
ンマー国境に近い地域で、13日夜に殺害された可能性がある。
イスラム教徒が人口の9割以上を占めるバングラデシュでは昨年9月から外国
人や宗教少数派を狙った襲撃やテロが頻発し、イスラム教スンニ派過激組織「イ
スラム国」(IS)などが犯行声明を出している。
これまでもヒンズー教徒やキリスト教徒、イスラム教少数派が被害に遭ってい
る。
■バングラデシュ、イスラム政党元党首に死刑執行
http://jp.reuters.com/article/bangladesh-warcrimes-idJPKCN0Y20Q6
(ロイター通信 2016年5月11日)
バングラデシュで11日、1971年のパキスタンからの独立戦争での大量虐殺
やレイプなどの罪で2014年に死刑判決を言い渡されていたイスラム政党「イ
スラム協会(JI)」のニザミ元党首(73)に対して刑が執行された。
法相がロイターに明らかにした。特別裁判所が死刑撤回を求める訴えを却下した
のを受け、ダッカ刑務所で絞首刑が執行された。
首都の通りには刑の執行を喜ぶ人々数百人が集まった。その一方で、ハシナ首相
が2010年に設置した特別裁判所に対しては、反政府の政治家らから、首相の
政敵を不当に罰するものだと批判されている。
JIは、ニザミ元党首に対する判決には根拠がないと主張。全土で抗議ストを行
うよう呼びかけた。JIは、ニザミ元党首を「殉教者」と表現し、正義を奪われ、
政治報復の標的にされたとしている。
■LGBT活動家殺害、過激派1人を逮捕 バングラデシュ
http://www.cnn.co.jp/world/35082634.html
(CNN 2016年05月16日)
バングラデシュの首都ダッカの警察は15日、性的少数者の運動を率いていた活
動家2人が殺害された事件に関与した疑いで、イスラム過激派のメンバー1人を
逮捕したと発表した。
警察の広報官によると、同国のイスラム過激派「アンサルラ・バングラ・チーム
(ABT)」のメンバー、シャリフル・イスラム・シハブ容疑者(37)が同国
西部クシュティアで逮捕された。
同容疑者がかかわったとされるのは、ダッカ市内のアパートで先月25日、ズル
ハズ・マンナン氏ら2人が荷物の配達を装った集団になたで襲われ死亡した事件。
マンナン氏は米国際開発庁(USAID)の職員で、性的少数者の問題を扱う雑
誌の編集者も務めていた。もう1人の被害者も国内のイベントやテレビで性的少
数者の権利を主張していた。
同国では過去14カ月の間に、世俗派の著述家や編集者ら少なくとも6人がなた
で殺害されている。昨年8月には著名ブロガー2人の殺害に絡み、ABTのメン
バーとみられる3人が逮捕された。このうち1人は英国人だった。
専門家によると、ABTは近年設立されたテロ組織「インド亜大陸のアルカイダ
(AQIS)」を通して国際テロ組織アルカイダとつながっているとみられる。
マンナン氏らの殺害をめぐっては、AQISのバングラデシュ支部を名乗る組織
が犯行声明を出していた。
■バングラ同性愛活動家2人殺害、「イスラム過激派」の男逮捕
http://www.afpbb.com/articles/-/3087169
(AFP通信 2016年05月16日)
バングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)で同性愛者の権利活動家2人が刃物で襲わ
れ殺害された事件で、警察当局は15日、イスラム過激派とみられる容疑者の男(
37)を逮捕したと明らかにした。
殺害されたのは、同国のLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トラン
スジェンダー)誌の編集長ズルハズ・マンナン(Xulhaz Mannan)氏と、同誌の発
行委員の一人だったマハブブ・トノイ(Mahbub Tonoy)氏。2人は先月、ダッカの
アパートで、なたや銃を持った6人の男に襲われた。
警察は14日、世俗派や無神論者ブロガーらの一連の殺害に関与したとされる地
元イスラム過激派組織の構成員とみられるシャリフル・イスラム・シハブ(Shar
iful Islam Shihab)容疑者を逮捕した。
ダッカ警察の報道官はAFPの取材に対し、ズルハズ・マンナン氏の殺害に関連し
て同容疑者を逮捕したと明らかにし、「彼はイスラム過激派『アンサルラ・バン
グラ・チーム(ABT)』の構成員だ」と述べ、2人の殺害はABT指導部の命令による
ものと付け加えた。
警察は15日の記者会見で、シハブ容疑者は殺害実行を否認しているが、今回の
殺人事件で使用された2丁の銃うち1丁を所有していたほか、これまでもABTが犯行
に使う武器や爆弾を供給していたと発表した。
警察は、シハブ容疑者がABTの支部を率いていたとされる西部の町クシュティア
(Kushtia)で数か所を強制捜査し、同容疑者を逮捕した。ダッカのテロ対策責任
者モニルル・イスラム(Monirul Islam)氏は、この捜査が事件の「突破口」にな
ったと語った。
「インド亜大陸のアルカイダ(AQIS)」が、2人は同国で「同性愛を推進」してい
たとして殺害の犯行声明を出したが、警察当局は、殺害の手口に地元イスラム過
激派の顕著な特徴があったと述べた。
■「おおかみ男症候群」の娘に支援を、家族が訴え バングラデシュ
http://www.afpbb.com/articles/-/3087056
(AFP通信 2016年05月14日)
顔や体に非常に濃い体毛が生え、「おおかみ男症候群」とも呼ばれるまれな病気
にかかったバングラデシュ人の少女(12)の家族が、娘に普通の生活を送らせた
いとして外科手術の資金を集めようとしている。
多毛症として知られるバイアーズ・ユルキェビッチ(Byars-Jurkiewicz)症候
群の合併症に苦しむビティ・アクタル(Bithi Akhtar)さんの母親、ビューティ
ー・ベーグム(Beauty Begum)さんはAFPの取材に、「娘は生まれたときから体中
に毛が生えていましたが、成長するにつれて抜けていくと思っていました」と話
した。
アクタルさんはこの病気のせいで、歯が隠れるほど歯茎がはれ、さらに胸が肥
大化して体重38キロの体のうちほぼ半分の重さを占めるほどになり、学校に行く
ことはおろか、立ち上がることもできないという。
「娘がこんな風に生まれてきたのも神のおぼしめしだと思ってきましたが、苦し
みに耐える娘をこれ以上見ていられないのです」とベーグムさんは語った。
ボンゴボンドゥ・シェイク・ムジブ医科大学(Bangabandhu Sheikh Mujib Med
ical University)の主治医によれば、アクタルさんと全く同じ症状の患者は世界
に4~5人しかいないとみられるという。
家族が、治療費を工面するためアクタルさんの苦しみを多くの人に知ってもら
おうと働き掛けているのは、医師らから、外科手術によってアクタルさんの生活
の質は大幅に改善される見込みがあると説明を受けたためだ。
□治療すれば「普通の生活が送れる」と医師
医師団は、アクタルさんの肥大化した胸と歯茎を縮小し、体毛を減らすために
ホルモン治療を実施することを計画している。主治医は、全ての治療が終われば
普通の生活が送れるようになると楽観的に捉えていると述べた。
しかし、大学側が治療費の一部を負担しているものの、家族は残りの費用を賄
えないでいる。
バイクタクシーの運転手をしている父親のアブドゥル・ラザック(Abdul Razz
ak)さんは、「薬代として8万タカ(約11万円)以上払わなければなりませんでし
たが、そのかなりの部分は銀行から借りました。治療代を払う余裕は私にはもう
ありません」と語った。
ラザックさん夫妻は、手足に樹皮のような巨大なイボが生じ、「ツリーマン(
樹木男)」と呼ばれているバングラデシュ人の男性(26)がイボの除去手術を試
みた際に大勢の人々から資金援助を受けた例をヒントに、娘の治療費を集めるこ
とを思い付いたという。
アクタルさんは大半の時間を病院で過ごしているが、「学校に戻りたい。大人
になったら医者になりたい」と将来に前向きな姿勢を見せている。

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